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皆が見ている北側サイト なぜ遮断するのか… "北を理解するためにはかんぬき解くべき"

原文入力:2012/02/05 23:15(1749字)

誰でも迂回サイトを通じれば
北 '労働新聞’等 照会可能
"単純接続、処罰対象にならない"
実効性なく旧時代的 指摘
専門家 "進歩勢力萎縮 意図"

 金正日北韓国防委員長が死亡した昨年12月末、ソウル、鍾路区(チョンノグ)、政府中央庁舎3階統一部記者室。 毎朝多くの報道機関記者たちが迂回接続(プロキシ)サイトを通じて北の主要メディアである<朝鮮中央通信>や<労働新聞>、<我が民族どうし>、在日本朝鮮人総連合会の機関紙である<朝鮮新報>のインターネット サイトに入り、報道内容を問い合わせていた。 統一部出入り記者たちはかなり以前からこのように迂回サイトを通じて北側サイトに接続してきた。

 記者たちばかりでなく、統一部の公務員たちもこの迂回サイトを利用している。 北韓のテレビとラジオ、通信などを合法的に受け取ることができる統一部情報状況室以外の部署では公務員たちも記者たちのように迂回サイトを通じて北側の通信と新聞を調べる。統一部の公務員たちは北側サイトから出る主な声明や論評などをその都度キャプチャーして記者室に配る。

 このように言論人と公務員たちがあえて迂回サイトを通じて北側のインターネット サイトに接続する理由は放送通信委員会と警察庁がこれらサイトを有害サイトに分類し接続を遮断しているためだ。 北のサイトは‘情報通信網利用促進および情報保護などに関する法律’の44条7項8号により‘国家保安法で禁止する行為を遂行する内容の情報’に該当する。 したがってこれら北韓サイトの内容が国家保安法7条<称揚.鼓舞>などに利用されると見ているのだ。

 しかしこれらのサイトに対する接続と照会は不法でも処罰対象でもない。 国家保安法上の北を利そうとする目的を持ってこの情報を活用してこそ処罰対象になる。 警察庁イム・ククビン セキュリティー2課長は「研究者や言論人が公益的目的で接続したり、一般人が単純な好奇心で接続・問い合わせたことは処罰対象でない」として「北の指導者や体制を称揚.鼓舞する目的でこの内容を流布・教育した時に処罰することができる」と話した。さらに数十数百種類に達する迂回サイトを通じれば誰でも北側サイトに接続でき、これらに対する遮断は実効性もあまりない。

 それではなぜ警察と放送通信委員会は接続・照会が不法でもないこのサイトをあえて遮断しているのだろうか? イム課長は「国民大多数はそのようなサイトの情報を信頼しないが、従北カフェを作ったり加入した人々、判断能力の不足した青少年はややもすれば傾倒しかねない」として 「万が一にもそのような雰囲気が広がらないようあらかじめ遮断している」と話した。

 専門家たちは北側サイトに対する接続遮断が時代錯誤的だと指摘した。 言論の自由がある南側では北側に対する情報を解くことが論理的に正しいということだ。 ヤン・ムジン北韓大学院大学校教授は「体制競争はすでに南側の一方的勝利で終わった」として「北側情報遮断は南側市民を統制し進歩勢力を萎縮させようとする意図から出たと見る」と話した。最近の統計を見れば、2010年南側の国内総生産(GDP)は北の40倍、軍事費支出は北の32倍と調査された。

 北韓媒体に対するかんぬきを開ければ、南側市民が北側社会をさらによく理解できるという意見も多かった。 キム・ヨンヒョン東国(トングク)大教授は 「北に対する市民の認識や情報がすでに客観的」としつつ「北側情報を解けばむしろ南側市民が北の実体や問題点をさらによく知るようになるだろう」と話した。 キム・クンシク慶南(キョンナム)大教授も「南側市民はつまらなくて見ることもないサイトをガチガチに縛っている」として「北側情報を解けばむしろ保守勢力が憂慮する親北韓勢力がより少なくなるだろう」と話した。

キム・キュウォン、ユ・ソンヒ、ク・ポングォン記者 che@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/517588.html 訳J.S