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保守言論の攻撃のため? イ・ジョンニョル判事 懲戒請求

原文入力:2012/01/31 16:31(1752字)

‘折れた矢’キム・ミョンホ教授判決合議内容を公開
朝中東‘裁判を長く引っ張る’裁判方式を問題にすることも

←イ・ジョンニョル(42)昌原(チャンウォン)地裁部長判事

 裁判所が映画<折れた矢>の実際の主人公であるキム・ミョンホ前成均館(ソンギュングァン)大教授に対する復職訴訟の裁判所合議内容を公開したイ・ジョンニョル(43)部長判事に対する懲戒を請求した。

 昌原地方裁判所は31日イ部長判事に対する懲戒を最高裁懲戒委員会に請求したと明らかにした。 キム前教授の復職訴訟控訴審で主審を務めたイ部長判事は去る25日、裁判所内部掲示板に文を載せ当時の裁判所合議内容を公開した。 裁判所組織法は‘公正な判決を下すために裁判所合議内容は公開しない’と規定している。

 イ部長判事はこの文で "裁判所組織法を破るまいと考え、この事件に対して話さないようにしていたが裁判所内部ですら‘でたらめ判決をした’、‘外部からの指示があったのではないか’というメールを受け取り実定法違反であることを知りながら合議内容を公開しようと思う" と明らかにした。 当時裁判所はキム前教授の復職訴訟控訴を棄却した。

 彼はまた、この文で "これによる不利益は甘受する" と付け加えた。 裁判所長は裁判官が倫理綱領や実定法に違反した場合、事案の軽重を判断し、口頭・書面警告をしたり最高裁懲戒委員会に懲戒請求できる。

 イ部長判事はフェイスブック等を通じて韓-米自由貿易協定(FTA)批准の問題点に対する意見を明らかにし、裁判官が社会関係網サービス(SNS)でどの程度まで意見を表明できるのかに関連した表現の自由論争を呼び起こした。 ネチズンは‘概念判事’と呼び、イ部長判事の意見に積極的に呼応した。 反面、保守言論は彼を‘政治偏向判事’と規定し強く批判した。 これに先立ちイ部長判事が自身のフェイスブックで大統領を皮肉るパロディ物‘カカセキチャンポン(閣下野郎チャンポン)’をスクラップしてあげると保守指向の言論は一斉にこれを引用し現職判事が大統領に対して‘低俗な嘲弄’をしたとし批判記事をぶちまけた。 そのために今回の懲戒請求が保守言論報道に影響を受けたのではないかとの指摘も出ている。

 <朝鮮>、<東亜>、<中央>等、保守言論はこの日「イ部長判事が裁判を過度に長引かせる」という地域弁護士の主張を引用して彼の裁判方式を問題にした。 これら言論は彼が引き受けたある物品代金事件控訴審裁判などを挙げて「原告と被告双方で計5回の弁論期日指定申請をしたが受け入れられなかった」として裁判を長く引っ張り物議をかもしていると伝えた。

 これに対してイ部長判事は、昌原地方裁判所公報判事を通じて「双方の書面攻防を通じて審理を進行し、審理が充分だという判断になれば裁判を開くよりは和解勧告を通じて訴訟を解決しようとする」として「裁判を放置するのではなく、他の裁判部とは進行方式が異なるだけ」と解明した。

 一方、イ部長判事に対する懲戒請求の知らせが伝えられるやネチズンの反応は大きく交錯した。 ツイッター利用者@sarangmad***は "裁判所組織法を論じる前に、あなたたちは正義と国民の情緒に符合する司法権を行え" とツィットを飛ばした。 @woosean***は "大統領も告発しろ、実定法に違反したのに…。良心ある人を告発する君たちは何者か" とメンションを飛ばした。

 反面 "本人自らいかなる処罰も甘受する覚悟になっているならば罷免することが最も相応しいようだ" (@lmu***)、  "映画‘折れた矢’と‘カカセキチャンポン’で悪役スターになったイ・ジョンニョル判事が懲戒の俎上に上がった…この際、否定的な気持ちを叶えてあげれば…" (@ybki***) など彼を非難する人々もいた。

クォン・オソン記者 sage5th@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/516832.html 訳J.S