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囚衣を脱いだクァク・ノヒョン "無罪確認を受け取るだろう"

原文入力:2012/01/19 16:31(3927字)
パク・スジン記者

罰金3千万ウォン 当選無効刑…最高裁判決前までは業務遂行

←2010年ソウル市教育長選挙で候補者買収容疑で起訴されたクァク・ノヒョン(58)教育長に罰金刑が宣告された。 クァク教育長が19日ソウル、瑞草洞(ソチョドン)、ソウル中央地裁で取材陣の質問に答えている。 ニューシス

 "ソウル市民と教育家族に衝撃と心配をおかけした点について申し訳なくおもっております。 1審裁判過程を通じて検察の主張が全く事実でないことが明らかになった点は非常に幸いだと考えます。 代価性と関連して裁判所が有罪と判断した点に対しては残りの裁判過程を通じて無罪であることの確認を受けるようにします。"

 19日午後1時。1審裁判で当選無効刑である罰金3千万ウォンを宣告され釈放されたクァク・ノヒョン(58)ソウル市教育長がソウル中央地裁西館正門前で所感を明らかにした。 クァク教育長は‘控訴を通じて罰金刑を宣告されたことに対して無罪の確認を受ける’と明らかにした。

 クァク教育長が釈放され囚衣を着替えて黒コートのいでたちで裁判所玄関外に出てくるとキム・サンゴン京畿道(キョンギド)教育長、イ・スホ前民主労総委員長、パク・ジェドン ソウル革新学校諮問委員などをはじめとするクァク・ノヒョン教育長支持者らと‘ナコムス’‘チョン・ボンジュ無罪’の立て札を持った20代女性など200人余りがクァク・ノヒョン教育長を囲んで‘ファイティング’等を叫んで拍手した。

 クァク・ノヒョン教育長の弁論を引き受けたキム・チルチュン弁護士も「代価性があると判断した裁判所の判断は認定できません。 直ちに控訴します」として控訴方針を明らかにした。 キム・チルチュン弁護士は「ただし、公判中心主義にともなう裁判過程で検事側が歪曲誇張してクァク・ノヒョン教育長を侮辱した点は裁判過程で一つ一つ明らかになりました」と付け加えた。 1審で‘罰金3千万ウォン刑’を宣告されたクァク教育長は最高裁確定判決時まで教育長としての業務を遂行することになる。 クァク教育長は教育庁復帰以後の日程などを尋ねる記者たちの質問には答えずに席を離れた。

 この日の1審宣告公判で裁判所が苦心した形跡は何度もあらわれた。 10時40分に予定された宣告公判は予定時刻を40分過ぎた11時20分に始まった。 法廷内だけで300人余りの傍聴客が集まり騒がしかった点もあったが、裁判所は「裁判所の意を正確に伝達するために判決文をもう一度詳細に検討するために遅れた」と説明した。

 裁判所は宣告に対する論難を最小化しようとするように宣告前に40分余りかけて判決理由を逐一説明した。

 裁判所はまずクァク・ノヒョン教育長、パク・ミョンギ ソウル教育大教授などを処罰する条項となる公職選挙法232条1項2号の趣旨について説明した。 裁判所は「公職選挙法は辞退した後、公職者や候補者に代価をやりとりする行為に対しても処罰する」として「処罰するのは候補者の辞退行為が金品など代価を支払う行為自体を不可と見るものであり、金権あるいは金銭と関連して公職に対する影響力を遮断する規定であり、選挙文化の堕落を防止し選挙の公正性を守ろうという目的を持つ規定」と説明した。 裁判所は「この条項の精神に立って裁いてきたし、判決もこの精神にともなう判決」と説明した。

 裁判所は候補単一化当時、金銭支給の約束があったという点は認めたが、この候補単一化以前の金銭支給約束をクァク・ノヒョン教育長があらかじめ認知できなかったという点を認めた。 裁判所は「クァク・ノヒョン教育長側のチェ・カプス ソウル大教授、イ・ポフン氏とパク・ミョンギ教授側会計責任者であるヤン・ジェウォン氏の間に‘候補単一化後の金銭支給約束があった’という点は事実として立証された」として「しかしこの事実がクァク・ノヒョン教育長に報告されたという検察の公訴事実に対して検察が立証しなければならないが直接的証拠がなく、間接的な証拠では事実を認められない」としてクァク教育長が事前合意事実を知らなかったと認めた。 この過程で裁判所はパク・ミョンギ教授側が作った文書の事実が誇張された点、これに伴い、この文書を信頼できない点などを根拠として上げた。

 しかし裁判所はクァク・ノヒョン教育長が2億ウォンを渡した事実に対しては‘代価性がないと見ることはできない’として有罪判決を下した。

 裁判所はクァク・ノヒョン教育長が‘代価性はなく善意で金を渡した’と主張しても代価性は主観的動機とは関係がなく決定されると明らかにした。

 裁判所は「金品提供の代価性は辞退した後に金を受け取った当事者が‘私が以前辞退して受け取ったのだろう’と考えれば代価となる」としながら「公職選挙法が辞退を代価に辞退後にも金品を授受できないように定めているのは金銭を媒介に選挙文化が堕落することを防ぐためのもので、パク・ミョンギ教授が辞退の代価に金を要求したし、金を受け取った後にも辞退に対する代価として受け取ったと考えたので代価性は認められる」と説明した。

 裁判所は「クァク・ノヒョン教育長が2億ウォンを与えた動機に対して、40年来の友人であるイ・ポフンと20年来の友人であるチェ・カプスが金銭を渡すことで合意したという事実に対する心理的負担、パク・ミョンギ教授が破産直前になったということに対する倫理的責務、有力な民主進歩要人パク・ミョンギ教授を助けるべきだとの利他的動機、パク・ミョンギ教授と仲が悪くなってこの事実が暴露された時の政治的負担などから金を渡しただろう」とクァク教育長の主観的動機を認めた。 裁判所は「しかし主観的動機で代価性を判断することはできない」として「代価性と関連して△辞退候補者と金品提供者の関係△金品の金額△提供授受時期・経緯などで代価性を判断する」として、この3要因から推し量ってみる時、代価性が認められると説明した。

 裁判所は「辞退候補者と金品提供者が互いに親しい間柄ではなかったし、パク・ミョンギ教授が辞退したことによりクァク・ノヒョン候補が当選したのであり、社会通念上2億ウォンはとても多額の金で、クァク・ノヒョン教育長自らも‘エッという声が出るほど大きな金’と認めた」と説明した。

 裁判所は故意性も認めた。 裁判所は「クァク・ノヒョン教育長が一歩遅れて合意事実を知ることになった後、クァク・ノヒョン教育長自ら‘単一化されなかったら与えなかった巨額’であり‘不法の根がある、法が言うクリーンハンドではない’と話すなど、自ら代価性事件になりうることを認識しながらも支給した」と説明した。

 裁判所は「クァク・ノヒョン教育長が‘善意の意図で与えた’と話され、それが嘘だとは考えないが、クァク・ノヒョン教育長が表現する方式であり、法的には規範的に解釈しなければならない」と説明した。

 裁判所はまた「‘スピード違反が処罰されることを知らなかった’からと処罰しないわけにはいかないように、処罰されるとは思わなかったとしても、極めて特別で正当な理由がない限りは処罰される」とも説明した。

 裁判所はクァク・ノヒョン教育長に対して罰金3千万ウォンを宣告しながら「もし‘単一化の代価として金品を渡すことに合意したチェ・カプス教授やイ・ポフン氏が起訴されたとすれば、その責任が大きいこともあるが、クァク・ノヒョン教育長は‘事前合意’事実を知らなかったために事前合意事実自体に対する責任までクァク教育長が背負う必要はない」として「クァク・ノヒョン教育長は金を渡したことに対する責任だけ負えば良い」として罰金刑を宣告する理由を明らかにした。

 裁判所は‘当選無効刑’を下すことに対して「もしこの事件が公訴時効満了前に提起されていたとすればクァク・ノヒョン教育長の会計責任者であるイ・ポフン氏の事前合意事実だけでも当選無効刑になる」として「その点を考慮した」と説明した。

 約50分間余り進行された宣告公判序盤、クァク・ノヒョン教育長が‘事前合意事実を知らなかった’と裁判所が話す時、クァク教育長の表情は明るかったが、以後‘代価性が認められる’とするとクァク・ノヒョン教育長は首を左右に振りながら暗い表情で判決内容を聴いていた。

 裁判所は宣告を終えた後、拘束状態で裁いたことに対して「関連者陳述が交錯するなど拘束状態で外部と遮断したまま裁く必要があって拘束措置があったこと」とし了解を求めた。

 一方、裁判所はパク・ミョンギ ソウル教育大教授に対しては実刑である懲役3年に2億ウォン追徴を宣告した。 裁判所は「代価を望んで辞退したし、以後にも継続的に金銭を要求して圧迫した」として「選挙の公正性に対する国民の信頼を傷つけ厳しい処罰が避けられなかった」と明らかにした。

 クァク・ノヒョン教育長が釈放されて家へ帰る姿を見守った後、キムジョン・ミョンシン ソウル市議会議員は「惜しい点はあるが検察の無理な政治的起訴が立証されたと見る」として「クァク教育長が最高裁確定判決の時まで政治的負担はあるだろうが、遅れた学生人権条例処理などソウル市教育日程を元気良く推進するように願う」と明らかにした。

パク・スジン記者 jin21@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/515481.html 訳J.S