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ホルムズ海峡は盧武鉉政権のイラクではない【寄稿】

登録:2026-09-11 08:30 修正:2026-09-11 11:32
キム・ジョンデ|正義党元議員
参与連帯、民主労総、韓国女性団体連合などの601の市民社会団体の関係者が9日午後、ソウル鍾路区の世宗文化会館の階段で、政府によるホルムズ海峡への派兵に反対するとして、米国政府の派兵強要を糾弾している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は米国の度重なる圧力に押され、中東のホルムズ海峡に海上哨戒機(P-8Aポセイドン)や軍需支援艦(AOE-2、昭陽級)、機雷除去を行う掃海艦などのいわゆる「非戦闘戦力」の派遣について、本格的に検討をはじめた。大統領府と国防部は「決定されたことはない」としつつも、現地実務調査団をアラブ首長国連邦(UAE)の米空軍基地とバーレーンの米海軍基地へ急派し、寄港地と飛行環境を点検するなど、事実上派兵の手順を踏んでいる。

 一部の人々は、2003年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代のイラクへのザイトゥーン部隊派兵の記憶を掘り起こす。韓米同盟の結束を強めるとともに、北朝鮮の核問題を管理するための「苦渋に満ちた決断」だったという具合だ。しかし、今回のホルムズ海峡への派兵検討は、盧武鉉政権のイラク派遣とは本質から結果に至るまで、非常に大きな違いがある。当時の論理で現在の泥沼を正当化しようとするのは、危険極まりない歴史的自己欺まんである。

 第1に、軍事行動の正当性と法的性格が完全に異なる。2003年のイラク派兵は大義名分をめぐる論争が激しかったものの、国連安全保障理事会決議(1483号、1511号)という最低限の多国間主義という外皮をまとっていた。また、米国議会の公式の承認を経た戦争でもあった。一方、現在ホルムズ海峡一帯で起きている事態は、国連決議はおろか、米国議会の正式な宣戦布告や武力行使承認(AUMF)すら経ていない、トランプ政権の「特殊軍事作戦」に過ぎない。しかも、米国がやってきたいかなる戦争とも異なり、米国民の支持を得られていない。派兵は、国際法上の根拠がまったくない違法な軍事行動の前衛部隊へと国軍を転落させる行為である。

 第2に、「多国籍軍」ではなく「韓国単独参戦」である。イラク戦争では英国、オーストラリア、イタリアなど14カ国以上からなる多国籍軍が共に戦線に立った。しかし今、世界の主要国は、トランプ大統領の無謀な軍事冒険主義とは断固として一線を画している。欧州連合(EU)の主要国は米軍の指揮を拒否しつつ、純粋に商船の護衛のみを目的とした「アスピデス作戦」を独自に展開しており、日本さえも背を向けている。全世界が拒否している戦場で、大韓民国だけがトランプ大統領の激しい圧力に屈服し、ひとり米軍の隣に立つ格好になる。中堅国家として韓国が数十年にわたって築き上げてきた外交的威信と道徳的資産は、国際社会の嘲笑の的へと転落するだろう。

 第3に、「非戦闘支援」などというものは、軍事を知らない者たちの観念的な虚像である。イラクのザイトゥーン部隊は、フセイン政権の崩壊後に戦後復興や民事作戦などの安定化任務を担った。しかし今のホルムズ海峡は、厳然たる主権国家であるイランの正規軍と精鋭の革命防衛隊(IRGC)が殺気立った目をぎらつかせている実戦交戦区域だ。現代の複合戦において、単独作戦を展開しうる軍需支援艦や哨戒機などというものは存在しない。哨戒機が収集した海上レーダーの情報と音響データは、直ちに米海軍の攻撃資産へと渡る。軍需支援艦は米艦隊に燃料と砲弾を供給する統合作戦戦力である。米軍の指揮統制システムに組み込まれた瞬間、韓国は交戦当事国となる。イラン本土の海岸線やケシュム島などの戦略島しょに密集する地対艦巡航ミサイルと自爆ドローン、機雷の照準線は、米軍だけでなく、毎年数百隻がホルムズ海峡を往来する韓国のタンカーや商船にも向けられる。国家のエネルギーの生命線全体が人質に取られるオウンゴールとなる。

 第4に、同盟の品格と請求書の違いだ。盧武鉉政権時代、ブッシュ大統領の要請は丁寧な協議の枠組みを備えていたが、トランプ大統領の要求は事実上の安全保障による脅迫である。在韓米軍のことを持ち出し、合同演習を揺さぶりながら突きつけてくる請求書に、軍需艦1隻送ったところで、米国が感謝するだろうか。すでに軍事装備の稼働率が底をついている米海軍と空軍の現実をみると、これは韓国引きずり込み戦術だ。第一歩を踏み出した瞬間、駆逐艦、掃海艦、特殊戦戦力を出せという第2、第3の請求書が次々と突き付けられるのは明らかだ。

 それに応じたとしても、トランプ大統領が関税交渉や投資圧力において韓国に好意を示すはずがない。これは同盟のための献身ではなく、トランプ大統領個人の傷ついた威信を保つための「朝貢派兵」に過ぎない。ホルムズ海峡は出口なき「永遠の戦争」の沼だ。支持率の停滞と内政の難題に直面している李在明政権が耐えうる政治的、軍事的重みでは決してない。李在明政権は盧武鉉政権のような歴史的大義名分を決して期待してはならない。

//ハンギョレ新聞社

キム・ジョンデ|正義党元議員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1277304.html韓国語原文入力:2026-09-11 05:02
訳D.K

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