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ソウルの「オリンピック公園開票所デモ」と若者言説【寄稿】

登録:2026-06-25 09:00 修正:2026-06-27 08:29
キム・ネフン|作家 
6・3地方選挙の投票用紙不足事態をきっかけにはじまったソウル市松坡区のオリンピック公園ハンドボール競技場一帯の「開票所封鎖デモ」が続く16日、あるデモ参加者が出入口を塞ぎ、スポーツ団体の職員が競技場内に入れなくなっている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 韓国の統一地方選挙と再・補欠選挙は、2つのポイントで衝撃を与えた。1つ目の衝撃は出口調査の性別・年齢別支持率であり、2つ目の衝撃はソウル蚕室(チャムシル)の開票所デモだ。特にソウル市長選挙の出口調査の指標は、予想以上にオ・セフン候補に傾いた「若年世代の民意」について、政界や論壇にちょっとしたパニックを引き起こした(しかし、この結果は事前投票データの欠落による誤りであることが後に分かり、20~30代の保守化は当初の発表ほどではないことが判明した)。一方、本投票日には松坡区(ソンパグ)などの複数の地域で投票用紙不足が発生し、多くの人が時間通りに投票できないという事態が発生した。それを受け、若者たちが大挙オリンピック公園に駆けつけ、参政権剥奪を糾弾するデモを繰り広げた。

 彼らの性格をどのように規定すべきかについては意見が割れている。改革新党のイ・ジュンソク代表に母親が中国人ではないかと問うたり、ハンドボールの韓国代表選手たちを不正選挙勢力だとみなして靴下を脱がせるべきだと言ったりする人々を、その中の極端な一部と考えるべきなのか、そうではないのかは悩ましい。ただし事態の長期化に伴い、初期に合理的な問題意識を持ち要求事項を提起していた人々は、かなりの数が離脱したようだ。もちろん、彼らは参政権侵害問題に無関心になって離脱したわけではないだろうし、依然としてオンラインやオフラインで怒りや不満を表明している。そしてそれは、最終的に李在明(イ・ジェミョン)政権と政権与党へと向かっている。

誤りを含む出口調査の数値によって受けた衝撃が収まる前に蚕室のデモが起こったため、このデモを「若者問題」の枠組みで捉える社会的議論の流れは自然なものだった。実際に、選挙管理委員会の手抜き業務に対する糾弾は誰でもなしうるものであり、特に若者の視点から耳を傾けるべき問題ではない。さらに、糾弾のメッセージが不正選挙論につながるのであれば、それを若者問題の面からみる理由はますますなく、みてもならない。

若者問題の枠組みで選管手抜き議論を続けると、2021年4月の失敗を繰り返してしまう危険性がある。当時、ソウル市長と釜山(プサン)市長の補欠選挙で文在寅(ムン・ジェイン)政権と政権与党に対する20~30代の民意の離脱が顕在化すると、政治言説はひたすら「若者」というテーマに向かった。あの時、政府と与党はいわゆる「怒れる若者」の心をとらえるために右往左往してばかりで、好感度は低下していった。現在の選管手抜き議論も若者の枠組みに閉じ込められてしまうと、制度の改善や改革といった議題は後回しにされ、薄っぺらな世代論ばかりが繰り返され、少しは回復するかに思われた若者の支持すら失う危険性がある。

選挙の手抜き管理を糾弾するデモが行われていることと、そしてその場にかなり多くの若者が集まっていることとは、分けて考えるべきだ。後者の問題は、今も政府と与党に反感を抱く若者世代についに役割と言葉が与えられ、それを中心に結集した結果だと思う。

若者たちは政権交代後も依然として生活に困難を抱えているが、韓国総合株価指数(KOSPI)という象徴的な経済指標は高止まりしているという矛盾のせいで、困難に共感したりコミュニケーションを取ったりといった議題が見出されていなかった。活発な株式市場と生活の質は別の問題であり、むしろ二極化が加速すると評価されていて、多くの人がそれを体感している。しかし、すでに極度に脱政治化している世代は、自分たちの問題の政治争点化、結集の求心点の提示に向けた政治的語彙力が不足している。そのような中で選挙管理の不備という大事故が発生し、すでに底に巣食っていた不正選挙陰謀論と結びついて、多くの若者がこの事件を媒介として現政権勢力に激しい怒りを表明するための言葉をついに得た格好だ。

したがって、制度改革や憲法改正などの議題で事態の継続を防ぐことも重要だが、若者の抱える無定形の不安や怒りといった感情がどこから生じているのかを分析し、その構造を改善する取り組みを長期的に続けていくことが重要だ。また、若者世代が不満を主体的に、制度圏政治にふさわしい言葉で表現できるようにするため、民主市民の力量を高める方法を共に考えていくべきだ。

//ハンギョレ新聞社

キム・ネフン|作家 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1265195.html韓国語原文入力:2026-06-24 19:24
訳D.K

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