現代の韓国人の生活に最も大きな影響を及ぼしてきた「二者関係」を一つだけ取り上げるとすれば、何と言っても朝中関係ではないだろうか。朝鮮戦争でともに戦ったこの“唇亡びて歯寒し”(密接な関係にあるものの一方が滅びると、もう一方も存在が危うくなること)の「血盟」関係は、1990年代初頭に浮上した北朝鮮による核開発という難題を前にして冷え込んだ。特に、2018~2019年に朝米対話が失敗した後、北朝鮮が「決して核を放棄しない」方針に戻って以降、両者には殺伐とした緊張感まで漂うことになった。しかし、中国の習近平国家主席による8~9日の北朝鮮訪問を機に、両国は「強固な戦略的関係を強化・発展させる」新時代に突入した。両国が関係改善に方向転換した「正確な時点」はいつだったのだろうか。
朝中関係の変化の様相は、両国の最高指導者が毎年交わす祝電の分析を通じて、ある程度は推測できる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2020年10月1日、中国の71回目の「国慶節」(建国記念日)に合わせて習主席宛てに送った祝電は、「尊敬する総書記同志」という親しみを込めたあいさつの言葉で始まる。この表現は、2022年までそのまま維持されたが、2023年に突然、「尊敬する」という修飾語が消えた。
北朝鮮は、2019年2月の「ハノイでの(朝米会談)失敗」以降、「米国との交渉を通じて核問題を解決した後、経済開発を推進する」という長年の対米アプローチを果敢にも放棄した。2021年1月の第8次党大会で示された新たな結論は、「核技術をさらに高度化し、米国との長期戦に備える」ことだった。それを受け、2022年9月には先制核使用を可能とする「核ドクトリン」を策定し、翌年9月には憲法まで改正し、「責任ある核保有国として、国の生存権と発展権を担保」するという条文を追加した。中国がこれを容認しない態度を見せたことで、「尊敬する」という言葉を削除したのだ。
中国に対する冷淡な態度は、2024年6月にロシアと「血盟関係」を回復した後、さらに露骨になった。金委員長は、2024年10月1日に習主席に送った祝電で、またも「尊敬する」という言葉を省いたが、6日後のロシアのプーチン大統領に送った誕生日の祝電には、「最も親しいプーチン同志」という文言を入れた。
金委員長の祝電に「尊敬する」という単語が再登場したのは、2025年10月16日に習主席に送った答電でのことだった。金委員長はそのわずか1週間前の9日、朝鮮労働党創建80周年を迎え、北朝鮮を訪問した中国のナンバー2の李強首相に会った。北朝鮮が核に対する中国の態度の変化を察知したのは、まさに「この日」だったのではないだろうか。中国はそれ以降、非核化について徹底的に「沈黙」を守っている。