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南北、二つの実用主義が出会うためには【寄稿】

登録:2026-06-22 06:12 修正:2026-06-22 07:56
キム・ヨンチョル | 元統一部長官・仁済大学教授
ゲッティイメージズより//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮はイデオロギーではなく、利益を追求する。北朝鮮がイデオロギーを追求していると誤解する人は少なくないが、北朝鮮は(イデオロギーに基づいた)団体ではなく国家だ。対南関係においても「国益に基づいた冷静な計算」だけが残ったと宣言した。李在明(イ・ジェミョン)政権も国益中心の実用外交を追求している。南北が追求する外交戦略は一致している。利益の調和を見出せば、新たな南北関係の道が開かれる。では、なぜ利益が食い違い、距離が生まれてしまうのだろうか。

 朝中ロの北方3カ国関係を、新冷戦ではなく、北朝鮮の国益という観点から再解釈する必要がある。北朝鮮はロシア・ウクライナの戦争に参戦し、軍事分野で先端技術を獲得し、経済分野で原油、食糧、現金を確保し、国際制裁からの抜け道を用意した。北朝鮮とロシアの関係は、冷戦時代にもイデオロギー的な連帯をしたことはなかったが、現在は徹底して利益の調和によって維持されている同盟である。

 朝ロ関係の構造的な限界も明らかだ。ロシアには、戦争のため北朝鮮に大規模な投資を行う余力がない。物流網は距離が遠すぎて経済性を確保しにくく、長年にわたり取引が少なかったため、協力の基盤も足りない。制裁を回避するためのルーブル決済や物々交換方式にも限界がある。そして、いくら関係が良好であっても、元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区を訪れるロシア人観光客はごく少数だ。

 だからこそ、朝中関係が重要である。中国の観点からすれば、立ち遅れた東北地域の経済を活性化させるためには、北朝鮮との協力が必要だ。北朝鮮はロシア・ウクライナ戦争で得た現金収入により、購買力も生まれた。羅津(ナジン)港を通じて東海(トンヘ)に進出すれば、東北地域は様変わりする可能性がある。北朝鮮も意欲的に推進している地方発展政策を成功させるためには、中国との協力が必要だ。両国は首脳会談で、すべての国境通関所を開放することで合意した。

 もちろん、中国はロシアとは異なり、制裁を遵守する方針だ。制裁に関して、ロシアと中国の間には違いが存在する。ただし、中国は交通インフラのような合法的な分野を積極的に推進し、合法と違法の間にあるグレーゾーンで柔軟性を発揮するとともに、非公式貿易に対する統制を緩める可能性がある。朝中間の国境貿易の歴史は長く、構造的に密接に絡み合っており、代金決済をはじめとする協力基盤が整っている。

 北朝鮮と中国の経済協力が増えれば、北朝鮮の経済戦略も変わる。これまで北朝鮮が推進してきた地方工業発展構想は国家主導だった。中央が工場建設に必要な資金や資材を保証し、軍が工場を建設し、地方当局が責任を負う方式だ。中国との貿易活性化により中国産の低価格消費財の流入が増えれば、地方の工場が生産する消費財の価格競争力を維持することは困難になる。そのため、地方工業政策の基調を変えなければならなくなる。

 これまで制裁やコロナ禍における封鎖の結果として生まれた国家中心の商品流通も変わるだろう。ロシア・ウクライナ戦争の過程で増加し、国家に集中していた外貨も民間へと移動しなければならない。市場取引が中心となる朝中間の貿易が活性化すれば、民間の役割は大きくなる。平壌(ピョンヤン)では、かつて羅津・先鋒(ソンボン)で許可されていた不動産の売買や譲渡も許可されるという情報も入っている。北朝鮮の実用外交は、核保有によって抑止力を確保し、中国とロシアの間で利益を拡大し、朝鮮半島で二つの国家として確立しながら体制への脅威に警戒しつつ、経済を発展させようという構想だ。

 李在明(イ・ジェミョン)政権の実用外交も本格化している。実用主義は手段を検討し、選択肢を絞り込まなければならない。省庁間の協力が重要であり、意見の相違を調整する必要がある。ところが、国家安全保障会議をはじめとする制度が正常に機能していない。朝鮮半島の平和共存政策の場合、外交と国防の分野で異なる声が上がり、周辺国は真意を疑っている。大統領の発言を参謀が否定することも頻繁に発生している。実用主義とは、間違っていれば直ちに方向転換しながら問題解決を試みる、開かれた世界観だ。実用的な知恵を取り戻すことを願う。

 過去の慣性に囚われ、北方3国を敵視する政策では、変化した世界において大韓民国の国益を追求することは難しい。朝米関係や中日関係において「誠実な仲介者」となるためには、韓国の戦略があってこそ信頼を得ることができる。仲介の力は、言葉を伝えることではなく、合意可能な代替案を提示できる能力にかかっている。省庁間の協力があってこそ、代替案を作り出すことができる。

 朝鮮半島における平和的共存のためには、南北の利益の調和を見出さなければならない。北朝鮮体制を脅かすことなく、互いに利益を見出せば、新たな関係が可能となる。両国の関係の形が問題になるわけではない。重要なのは利益の内容だ。実用主義とは、細かい網の目のアプローチだ。過去の緩い網では、利益を捉えることが難しい。利益の調和を図る環境も重要だ。戦略的自律性があってこそ、実用外交も可能となる。

//ハンギョレ新聞社
キム・ヨンチョル | 元統一部長官・仁済大学教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1264577.html韓国語原文入力:2026-06-21 19:08
訳H.J

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