「私たちは将来無期限に(for the indefinite future)『関税の世界』で生きることになるでしょう」
米国のドナルド・トランプ大統領は昨年7月7日、ソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに、李在明(イ・ジェミョン)大統領に宛てた書簡を投稿しました。8月1日から韓国製のあらゆる製品に25%の関税を課すという内容でした。3週間以内に交渉を妥結して関税を下げるか、それに失敗して25%の関税を課されるか。国の命運を背負った韓国の交渉チームが急きょ米国のワシントンに向かいました。
「多くの人が8月1日になれば、これらすべてがまとまり、次の段階に進むことになると思います。断言しますが、真実と最もかけ離れた確信です。後続交渉は明らかに難関に直面するでしょうし、トランプ大統領はより多くの関税で脅すでしょう」(ウェンディー・カトラー元米通商代表部(USTR)次席代表代行、昨年7月14日の韓米経済研究所での対談で)
「8月1日以前に交渉をまとめても、無限関税地獄は消え去らないだろう」と語っていたカトラー元次席代表代行の予言が現実のものとなるには、6カ月あれば十分でした。
「韓国の関税を25%に引き上げる」というトランプ大統領の今月26日の宣言は、「もっと早く、もっと多く」自らの思い通りに手に入りさえすれば、両国の首脳同士の合意などに大きな意味はないという「地獄」がまさにここにあるということを、如実に気づかせてくれます。
この地獄にはルールも、約束も、信義もありません。「韓国国会の未承認」を問題視するのは、所詮は言っても無駄ですが、明らかな協定違反です。両国はファクトシート発表の翌日、了解覚書に署名した際に「韓国が対米投資関連法案を提出した月の1日から、米国は品目別関税(相互関税は昨年8月にすでに引き下げ)を引き下げる」と約束しています。実際に、韓国が提出したら米国は下げました。関税引き下げは法案提出の代価であって、法案の可決とセットではありません。「国会がサボタージュしている」という非難も、法案提出から2カ月もたっていないことを考慮すれば、荒唐無稽な非難です。
財政経済部長官らが今年のウォン安を理由に「大規模な投資は容易ではない」と述べたことが難癖をつけられたという分析も、事実だとしたらこじつけです。「ウォンが不規則に変動するなど、市場不安が引き起こされる恐れがあると予想される場合、韓国は調達の金額と時期を調整することを要請でき、米国は信義をもってそのような要請を適切に検討する」。ファクトシートに明示された合意に沿ったものです。
率直な本音は、USTRのジェイミソン・グリア代表が示してくれました。トランプ大統領が関税引き上げを迫った背景は、投資、自動車、農産物、デジタル分野の全般で韓国の貿易合意の履行スピードが遅いからだと彼は言います。
韓米貿易協定は大枠の合意に過ぎません。悪魔が隠れているという「ディテール」を扱う後続交渉こそが本番です。後続交渉の初会合は昨年12月中旬にワシントンで行われる予定でしたが、双方の駆け引きの末、米国が取りやめにしました。そして1カ月後、トランプがひっくり返しました。「後続交渉は難関に直面するだろうし、その時に再び関税で脅すだろう」という予言そのままです。
「タフな交渉家」キム・ジョングァン産業通商部長官がワシントンにまたもやって来ました。昨年何度も見たおなじみの光景です。すべてがやり直しです。今回の交渉をまとめれば、安心できるのでしょうか。無限関税地獄で過度の期待は禁物です。
キム・ウォンチョル|ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )