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【社説】「検察ロビー」疑惑まで浮上した旧統一教会、速やかに特検を推進せよ=韓国

登録:2025-12-26 06:50 修正:2025-12-26 09:35
旧統一教会の韓鶴子総裁が9月22日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地裁で開かれた令状実質審査に出席している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政界へのロビー疑惑で捜査を受けている旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が、検察にもロビー活動を行っていた情況が明らかになった。旧統一教会は政官界を対象に無差別的なロビー活動を行ったのではないかという疑念を抱かざるを得ない。与野党は「旧統一教会特別検察(特検)」の導入で意見が一致しただけに、急いで交渉を終え、聖域なき真相究明に協力すべきだ。

 25日のハンギョレの報道によると、2017年8月頃に作成されたとみられる「TM報告」(特別報告)文書には「私たちが望んでいた検事1人が東部地検に配置された。8カ月間準備してきた過程だった」という内容が含まれている。「TM」は「真の母」(True Mother)の略で、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を指す。また、19日の韓総裁の裁判に証人として出席した旧統一教会世界本部の元職員は「2017年にも検察ロビー資金として現金が拠出された」と証言した。当時、旧統一教会側はソウル高速バスターミナル敷地における旧統一教会所有の土地を任意に処分した疑いで、韓総裁の三男、ムン・ヒョンジン氏をソウル東部地検に告発した状態だった。検察はムン氏を出国禁止にし、検察に出頭させて取り調べを行ったという。

 これらは、当該事件の捜査を有利に進めるために、旧統一教会がロビー活動を通じて検察の人事にまで影響力を行使したのではないかという疑念を抱かせるのに十分な情況だ。宗教団体が特定の検事の人事を意のままにしたことが事実なら、前例のない衝撃的なことだ。旧統一教会の検察ロビー疑惑に関する様々な告訴・告発事件があったが、ひとまずすべて不起訴・嫌疑なしの処分を受けた状態だ。当時、検察と警察はロビー疑惑を完全に解消せず、証拠不足を処分の理由に挙げた。具体的な情況が明らかになっただけに、徹底した再捜査が必要だ。

 22日、与党「共に民主党」が旧統一教会特検を受け入れる方針を示したことで、急流に乗ると思われていた特検導入は、与野党の長々とした神経戦の局面に入った格好だ。野党第一党「国民の力」は裁判所事務総長に特検候補の推薦権を与えるべきだと主張したが、憲法裁判所も推薦権者に加えようという民主党の提案を受け、再び祖国革新党と改革新党にも推薦権を与える方向で立場を変えた。与野党は、政治的な有利・不利だけを問うのではなく、疑惑の真相を客観的に暴くことができる特検を任命するための最善策に焦点を合わせて、交渉に取り組まなければならない。政教分離という憲法的原則を破った重大な事案に対し、国民の懸念と関心が高まっている。口先だけで特検導入を主張し、裏では遅延作戦を展開する政党があるなら、国民の厳しい叱責を免れないだろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1236560.html韓国語原文入力:2025-12-25 18:37
訳H.J

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