本文に移動

[寄稿]誕生日が死亡日にならないよう祈った、ガザの12歳のルマへ

登録:2023-11-16 09:48 修正:2023-11-16 11:28
イ・ソニョン | オックスファムコリア キャンペーン&擁護事業チーム長
イスラエル軍の空襲を避け、パレスチナのガザ地区北部のジャバリア難民キャンプから南部のハンユニス難民キャンプに避難した少女=オックスファムコリア提供//ハンギョレ新聞社

 こんにちは!ルマ。私はルマのお母さんのフィダと同じ機関で働いています。お母さんの職場の同僚だけど、実はお母さんと会ったり連絡を取り合ったりする機会はありませんでした。あなたも知っているように、お母さんの職場は世界中の数十カ所の事務所で数万人が働く国際機関だから、お互いなかなか会うことはできません。だからパレスチナのガザ地区で同僚たちがどんなことをしているのか、時々聞いてはいたけれど、あまり関心を傾けることはできなかった。正直に言うと、大きな事件や事故が起きない限り、いつも同じような状況だと思っていたのです。

 でも近ごろ私たちは、毎日あなたのお母さんをはじめ33人の同僚たち、そしてガザ地区にいる人々の安否を確認しながら一日を始めます。先月戦争が始まってから、私たちはルマのニュースも聞いています。ルマのお母さんが、混乱の中でも落ち着いてそちらの状況を伝えてくれて、私たちはそのニュースを世界中の人々に知らせている。パン屋さんやスーパーマーケットが爆破された日、爆撃でたくさんの子どもたちが親を亡くしたあの日のニュースも、お母さんのおかげで知りました。だからこそ戦争をやめ、直ちに人道支援を始めなければならない理由を知らせることができたんだ。そちらの状況を確認しながら、私たちがいるところで各々何ができるか悩みながら、方法を探しています。

 そして数日前、ルマが12回目のお誕生日を迎えたと聞きました。遅くなったけれど、お誕生日おめでとう。ルマが誕生日にどんな願い事をしたのか気になったのだけど、お母さんが教えてくれました。誕生日が死ぬ日にならないように祈ったと。人々が、この子は誕生日と死亡日が同じ日になってしまったと驚かないようにしてほしい、と。ルマ、世界のどんな子どもも、誕生日に死ぬことを心配するような状況にあってはならない。世界のどんな子どもも、飲み水もなく、食べるパンもない空腹の中で、クラッカーの音の代わりに爆撃の音を聞きながら誕生日を迎えてはならない。世界は悲劇的な戦争を何度も経験し、お互い兄弟愛の精神で向き合うと約束し、もし戦争をすることになっても民間人を保護すると約束したのだから。

 ルマのお母さんと同僚たちは、ガザ地区で驚くべき事業を進めてきたんだよ。暮らしに必要不可欠なきれいな水と衛生施設を供給すること。そこの水の97%が飲めない水だから、浄化施設を作り、飲み水と汚水処理施設を復旧してきたんだ。病気にならないよう安全なトイレを作り、衛生キットも提供してきた。何よりもガザ地区が世界と断絶されていないということ、ガザ地区の人々のそばに彼らを支援する人々がいるということを示してくれた時間だったと思う。今は、この驚くべき事業はしばし止まっているけれど、必ずまたきれいな水が流れるようになるはず。そして私たちはきっとまたつながる。私をはじめ多くの人たちが、ルマと家族、そしてそこにいるすべての民間人が安全であることを祈っています。私たちの声が一つずつ集まれば絶対に大きな声になる。もうすぐ戦争が止まり、ガザ地区と世界がつながる扉が開かれると信じています。

 すぐにでも助けに行けるよう、水と食べ物、救急薬品を積んだトラックとお母さんの同僚たちが、ガザ地区の塀のすぐ前で待っています。そして、ますます多くの人々が毎朝あなたの安全を気にするようになるでしょう。勇敢なルマ。爆撃の音と死の恐怖によってあなたの誕生日が二度と邪魔されないように、私たちももっと勇気を出すよ。すぐに役に立てるように準備するよ。そして、今すぐ戦争を止めなければならないともっと大きく声を上げるよ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/1116470.html韓国語原文入力:2023-11-16002:37
訳C.M

関連記事