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[社説]海兵隊員殉職事件、指揮当事者らが昇進…やはり「責任」はなかった=韓国

登録:2023-11-08 06:32 修正:2023-11-08 07:50
先月24日、忠清南道鶏龍台海軍本部で開かれた国会国防委員会の海軍本部に対する国政監査で、キム・ゲファン海兵隊司令官が海兵隊関係者から業務報告を受けている/聯合ニュース

 7月に起きた水害事故行方不明者の捜索中に死亡した海兵隊C上等兵の殉職事件で、捜査をめぐって物議を醸し、外圧の疑いが持たれている当事者たちが、下半期の将軍人事で問責を受けるどころか、昇進または留任された。事件を捜査して責任者を突き止めようとしたパク・チョンフン前海兵隊捜査団長は抗命の容疑で起訴された一方、無念な死について責任を取る指揮官は誰一人いない。

 韓国政府が6日発表した中将級以下の下半期の将官人事によると、野党が問責の意味を込めて更迭すべきと主張してきたキム・ゲファン海兵隊司令官は留任しており、C上等兵所属部隊の海兵隊第1師団のイム・ソングン師団長は任期終了後、合同参謀本部の戦備態勢検閲室長を務める案が検討されていたが、補職なしに政策研修を受けることになった。事件当時、国家安保室国防秘書官として勤務し、事件捜査に対する外圧の橋渡しの役割を果たした疑いの持たれているイム・ギフン陸軍少将は中将に進級し、国防大学の総長を務める。

 安全装備もなしに急流に入って行方不明者を捜索せよという無謀な命令を下し、兵士を死亡させたことに対して、軍指揮部の誰も責任を取る必要がないと考えているのか。世論の怒りと叱責にもかかわらず、C上等兵事件に対して、海兵隊第1師団長に事故の責任を問うことはできず、捜査への外圧はなかったという尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の従来の立場を貫くという我執だけが感じられる。同事件の初動捜査を担当し、イム師団長ら指揮部8人に過失致死などの疑いを適用した報告書を警察に移牒したことで抗命の疑いで起訴されたパク・チョンフン前捜査団長の弁護人は、この人事について「自分たちは過ちを犯していないという強いメッセージを与えている」と批判した。パク前捜査団長は、イム・ソングン師団長の過失致死容疑を適用させないため大統領室が介入し、捜査に外圧を行使したと主張してきた。

 政府と軍指揮部は疑惑を覆い隠そうとしているが、真相究明を要求する声が相次いであがっている。C上等兵とともに急流に流されたが辛うじて生存した兵士は、先月24日の除隊直後、イム師団長を業務上過失致傷の疑いで高位公職者犯罪捜査処に告訴した。現場にいた彼は「私たちは国民の生命と財産を守るための作戦を行う過程で死亡したり怪我をしたのではありません。(イム)師団長のような人々が自分の業績を上げるために、必要のない無理な指示をしたからです」と語った。海兵隊の予備役たちもパク前捜査団長の名誉回復と真相究明を求め、4日から5日にかけて京畿道華城市(ファソンシ)の海兵隊司令部から国防部まで行進した。口を開けば国家安全保障を叫ぶ尹錫悦政権と、「軍の名誉」を掲げる将軍たちは、彼らに恥ずかしくはないのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1115330.html韓国語原文入力:2023-11-08 02:44
訳H.J

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