韓国軍検察が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「海兵隊捜査への外圧」疑惑を提起したパク・チョンフン前海兵隊捜査団長(大佐)に対する拘束令状を請求した。パク大佐は先日、「イム・ソングン海兵隊第1師団長の過失致死容疑を認めた捜査結果が覆された理由は、尹大統領の激怒のため」という趣旨の話をキム・ゲファン海兵隊司令官から直接聞いたと主張した。キム司令官はこれを否定しているが、パク大佐の主張はイ・ジョンソプ国防部長官の決裁まで受けた捜査結果がわずか一日で覆された理由に関する最も納得できる説明といえる。ところが、軍検察はパク大佐の主張が伝えられた翌日の30日、事前拘束令状を請求した。釈明どころか、急いで口封じに乗り出したのではないかという疑念を抱かせる。
抗命の疑いで立件されたパク大佐は、28日に国防部検察団に提出した陳述書で、「7月31日午後4時頃、キム司令官と単独面会した際、『大統領室VIP(大統領を指す)が開いた会議で、海兵隊の捜査結果に関する報告を受け、VIPが激怒して国防部長官と電話した後、こうなった』という趣旨の話をキム司令官から聞いた」と明らかにした。しかし、大統領室は国防部と海兵隊の背後に隠れ、これについて明確な説明をしていない。30日、国会予算決算特別委員会に出席したイ・グァンソプ国政企画首席秘書官は「(パク大佐の主張について)マスコミ報道で見たことはあるが、その部分については分からない状況」だと述べた。いくら「選択的沈黙」が大統領室の得意技だとしても、無責任極まりない答弁だ。明確な否定でもない。国政企画首席秘書官ともあろう人が、大統領が直接関連した懸案について、新聞報道を見ただけできちんと調べもせず国会に出席したというのか。あえて知ろうともしなかったのか。この日に大統領室の国家安保室会議があったかどうかくらいは確認すべきではなかろうか。
尹大統領は検事時代、上官の不当な捜査介入に立ち向かったことがある。朴槿恵(パク・クネ)政権初期の2013年、「国情院コメント」の事件捜査チーム長を務めていた当時、ウォン・セフン国情院長に選挙法違反の疑いを適用するなというファン・ギョアン当時法務部長官の指示に背き、左遷された。そのような尹大統領が今、海兵隊師団長の過失致死容疑の適用を阻止するために外圧を行使したという疑いを持たれている。最高裁判例は「上層部」による捜査への介入を職権乱用として刑事処罰する。
尹大統領はC上等兵が死亡した当時、「厳正かつ徹底的に捜査し、このようなことが再発しないようにすべき」と指示した。その時と今と、どちらが尹大統領の本心なのか。率直な釈明こそが、遺族と国民にまず守るべき礼儀だ。