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[社説]韓米日軍事協力へと突き進む尹大統領の危険な賭け

登録:2023-08-17 06:30 修正:2023-08-17 09:32
今年5月、日本の広島で開かれたG7サミットで、尹錫悦大統領が米国のジョー・バイデン大統領や日本の岸田文雄首相と挨拶している=広島/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が米国のキャンプデービッドで開かれる韓米日首脳会談に出席するため、17日に出国する。18日(現地時間)に行われる今回の首脳会談は、韓米日の軍事・経済安全保障分野における密着の重要な分岐点になる見通しだ。しかし、期待より懸念の方が大きいのが事実だ。

 韓米日首脳は会議後に「キャンプデービッド原則」を発表し、韓米日首脳会議と国家安全保障会議(NSC)担当高官による協議、3カ国の年次共同訓練の定例化など、韓米日の協力を前例のない水準に格上げするものとみられる。韓米日の年次共同訓練では3カ国のレーダー、衛星、ミサイル迎撃訓練も含まれる見通しだ。3カ国の軍事的協力をきめ細かく制度化し、政権交代により韓日関係に変動があっても安全保障分野の協力が続く体制づくりを目指している。これはジョー・バイデン米大統領が韓米日協力を通じた中国包囲網の強化を外交安全保障の成果として浮き彫りにしていることとかみ合っている。尹大統領は北朝鮮の核への対応に向けた韓米日の協力を強調しているが、韓国が米国の対中けん制の最前線に立たされる危険性が高まっているのだ。

 韓日の「準同盟化」も重要な争点だ。尹大統領は15日、光復節の祝辞で、日本を「安全保障と経済協力のパートナー」とし、「日本が国連司令部に提供する7カ所の後方基地の役割は北朝鮮の南侵を遮断する最大の抑止要因」だと述べた。朝鮮半島で有事が起こった場合の日本の役割を、異例にも浮き彫りにしたのだ。尹大統領は16日に公開されたブルームバーグ通信とのインタビューで、「拡大抑止と関連する韓米日の別途協議に対しても開かれている」とし、韓米核協議グループ(NCG)に今後日本が加わる可能性も言及した。以前は想像もできなかったことが、尹錫悦政権発足後にあまりにも自然に取り上げられている。韓日の間で軍事的協力が話し合われる背景には、尹大統領のはばかることのない「対日譲歩」が動力として働いている。尹大統領が「日本の国連軍司令部後方基地の役割」を強調した光復節に、岸田文雄首相は太平洋戦争A級戦犯らが合祀された靖国神社に供物を奉納した。

 歴史を無視し世論を説得しようともせず、韓日準同盟化を推し進める尹大統領の危険な賭けは、韓国社会にとっては受け入れ難いものだ。長期的には韓日関係もむしろ不安定にする可能性が高い。北朝鮮の核危機に対応するため米日との協力を強化したとしても、中国との過度な緊張と対立は韓国が耐えられるものではない。尹大統領はキャンプデービッドに向かう道でこのような現実を熟考してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1104550.html韓国語原文入力:2023-08-17 02:12
訳H.J

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