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[社説]首脳会談も大統領夫人日程も「提供された資料」のみ使えという大統領室=韓国

登録:2022-11-15 05:12 修正:2022-11-15 08:35
尹錫悦大統領と夫人のキム・ゴンヒ女史が13日(現地時間)、インドネシア・バリ島のングラ・ライ国際空港に到着し、歓迎公演を見ている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領室は13日(以下現地時間)にカンボジアのプノンペンで開かれた韓米首脳会談と韓日首脳会談の現場を歴訪に同行した取材陣に公開せず、「取材制限」で論議を呼んだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史の歴訪地での活動もマスコミに非公開で行い、大統領室が事後公示する方式を続けている。「文化放送(MBC)」の取材陣に対する専用機搭乗拒否に続き、統制一辺倒の言論観を表わしたものだと言わざるを得ない。

 今回の韓米、韓日首脳会談は、大統領室関係者が会談会場に同席し、尹大統領の発言を伝えるとともに映像、写真などを提供する「専属取材」で行われた。これまで首脳会談の冒頭発言は通常、マスコミ各社の「プール(代表)記者取材」の形で公開されてきた。取材陣は首脳らの発言を単純に伝えるだけでなく、現場の雰囲気と突発状況など詳しい事項をすべて記録する役割を担うが、これを制限したのだ。大統領室は当事国間の協議によるものだと言うだけで、具体的な理由は明らかにしなかった。

 特に大統領室は、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれるインドネシアのバリ島への移動時間が差し迫っているとして、韓米、韓日首脳会談に対する質疑応答も省略し、書面資料のみ提供した。バリ島への移動直前、13分間にわたり自国の記者団に韓日会談などの成果を説明した岸田文雄首相とは対照的だ。結局、尹大統領の東南アジア歴訪の核心日程である韓米、韓日首脳会談は、大統領室が一方的に編集した内容だけが公開された。

 キム・ゴンヒ女史の相次ぐ「非公開」活動と告知方式についても疑問が残る。キム女史はASEAN首脳会議の主催国であるカンボジアが主催する首脳配偶者プログラムには全く参加せず、12~13日、プノンペンのヘブロン医療院などを訪れた。首脳会議に大統領の配偶者が税金をかけて同行する理由は、配偶者との交流も外交の一環であるからだ。公式行事に参加せず個別行動を取るなら、なぜ歴訪に同行したのか理解に苦しむ。何よりも「見せたいもの」だけを公開する事後公示方式を固守しているが、キム女史の写真などが連日物議を醸しているのはこれと無関係ではないだろう。

 尹大統領の言う通り「大統領が多くの国民の税金を使いながら海外歴訪をするのは重要な国益がかかっているため」だ。大統領の外交活動をマスコミが厳密に報道し、国民に知らせることも国益に含まれる。尹大統領が常に強調する「自由」に言論の自由はないのか、問わざるを得ない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1067221.html韓国語原文入: 2022-11-15 00:18
訳H.J

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