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[社説]ICBM発射した北朝鮮、出口の見えない朝鮮半島危機

登録:2022-11-04 06:23 修正:2022-11-04 07:23
北朝鮮が3月24日、火星17ミサイルを発射した後に公開した場面/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が北方限界線(NLL)以南に弾道ミサイルを発射した翌日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。国際秩序が混乱した局面を利用して実質的な核保有国としての地位固めに乗り出した北朝鮮が、様々な手段を動員して挑発のレベルを高めていくものと予想される。朝鮮半島に出口の見えない危機が近づいている。

 北朝鮮は3日、東海(トンヘ)上にICBM1発と短距離弾道ミサイル2発を発射した。このICBMは「火星17型」とみられるが、2段目まで分離した後、東海上に落ちた。3段目の分離には失敗したが、マッハ15(音速15倍)まで速度を上げ、前回の発射に比べて技術的に進展した「半分の成功、半分の失敗」と言える。北朝鮮は核弾頭を米国本土まで飛ばせるICBMで米国を脅かす戦略的目標を持っており、今後射程距離が1万5千キロメートル超える「火星17型」の主要技術を完成させるため、発射実験を続けるものとみられる。北朝鮮が韓国を狙ったミサイルを25発も大量発射した翌日、米国を狙ったICBMの発射に乗り出すなど挑発を強めているのは、7回目の核実験も差し迫っていることを示す兆候であるため、さらに懸念される。このような状況で、先月の地対地ミサイル「玄武2C」の落弾に続き、2日に中距離ミサイル「天宮」が発射後自爆するなど、韓国軍の基本的な対応能力を疑わざるを得ない問題が次々と起きているのも憂慮を抱かせる。

 北朝鮮は韓米合同空中演習「ビジラントストーム」を挑発の名分に掲げているが、さらに根本的な目標は米中対立が激化し、朝中ロ協力が強化される状況を利用して、核・ミサイル戦力を強化し続け、核保有国の地位を固める狙いがあるとみられる。しかし、北朝鮮のこのような戦略は結局、韓米同盟と韓米日軍事協力の強化につながるしかない。北東アジアの緊張と軍拡競争を加速させ、南北いずれもさらに危険な状況に立たされるだろう。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同日、国家安全保障会議(NSC)常任委員会で「韓米の拡大抑止の実行力をさらに強化し、韓米日安保協力も拡大するよう」指示した。韓米空軍は4日まで進める予定だった「ビジラントストーム」の期間を延長することにした。韓国では独自の核兵器開発を求める声も高まっている。日本でも平和憲法改正と再武装の動きに力が入るだろう。北朝鮮はこのような状況を本当に望んでいるのか。挑発をやめ、方向を転換することを求める。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1065660.html韓国語原文入::2022-11-04 02:39
訳H.J

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