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[社説]米国がサプライチェーン再編への参加迫る中、韓国の対中国政策は

登録:2022-07-22 07:09 修正:2022-07-22 08:33
ジャネット・イエレン米財務長官が今月19日午前、ソウル江西区麻谷洞のLGサイエンスパークを訪問し、次世代バッテリー技術などを展示した「持続可能ギャラリー」を観覧した後、演説している/聯合ニュース

 米国がグローバルサプライチェーンを自国中心に再編する戦略に韓国が参加するよう、圧力を強めている。米国は自国の半導体技術や日本の材料・装備、韓国と台湾の製造能力を結合した半導体サプライチェーン「チップ4」を提案し、来月までに参加するかどうかを決めてほしいと要請した。ジャネット・イエレン米財務長官は19日に訪韓し、半導体とバッテリーに言及し、「フレンドショアリング」(友好国間のサプライチェーンの構築)を提案した。ここにはグローバルサプライチェーンから中国を排除しようとする思惑が反映されている。韓国にとって最大の貿易相手国である中国の反発が火を見るより明らかだが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は政権発足から2カ月が経つのにこれといった対中国政策を示しておらず、懸念を抱かせる。

 イエレン長官は訪韓初の日程として、電気自動車バッテリーと電池の材料を開発するLG化学を訪問した。長官は演説で「フレンドショアリングは経済リスクを減らすために信頼できる貿易パートナー間の関係を深め、サプライチェーンを多様化すること」だとしたうえで、「同盟国やパートナーと共にすることが経済回復力を強化する重要な要素」だと強調した。特に「中国のような国々が、主要な原材料や技術、商品分野で市場での地位を利用して我々の経済を乱し、地政学的テコとして使うことを容認できない」と強く批判した。韓国政府は米国側の要求に積極的に応えている。尹大統領はイエレン長官との面会で「経済安全保障分野で米国のグローバルリーダーシップを全面的に支持する」と述べた。

 世界最強の国であり同盟国である米国の要求に背を向けることはできないだろう。問題は、中国との関係に関する青写真が見えない点にある。産業界は不安を隠せない。チップ4の場合、韓国にとって最大の半導体輸出市場であり生産基地である中国を排除する性格が強く、国内の半導体産業が動揺する恐れがあるためだ。SKのチェ・テウォン会長は、最近の記者懇談会で「中国は良くも悪くも非常に大きな市場だ。諦めるのは選択肢にない」と語った。

 開放型の通商国家である韓国が国益を最大化するためには、自由貿易と多国間主義の原則を持って実利中心の外交を展開しなければならない。米中が保護貿易主義に陥ることを、韓国と利害関係が類似した国々と連帯して最大限防ぐ一方、それが避けられない場合にも中国と共存できる道を模索しなければならない。韓中国交正常化30周年を迎える来月までには、対中国政策を打ち出すことを望む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1051753.html韓国語原文入力:2022-07-2102:10
訳H.J

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