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[社説]「五輪精神」傷つけたショートトラックの「不公正な判定」は遺憾だ

登録:2022-02-09 08:00 修正:2022-02-09 08:17
7日夜に行われたショートトラック男子1000メートルの準決勝で、中国選手が追い越そうとしたファン・デホン選手(24)の足に手を出す様子がカメラに捉えられた=KBSニュース画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 北京冬季五輪で理解できない判定が相次いで出され、五輪精神が傷つけられている。五輪のような国際大会での判定の是非は常にあり、主催国の意向が作用するということも公然の秘密だ。しかし、今回は度が過ぎている。

 7日夜に行われたショートトラック男子1000メートル準決勝で、ファン・デホン選手(24)とイ・ジュンソ選手(22)が連続して「レーン変更」などの反則判定を受け脱落する姿をテレビ中継で見守っていた多くの韓国国民が怒っている。韓国の選手だから無条件でかばっているのではない。特に、ファン・デホン選手の反則判定は理解できない。ファン選手は残り4周で先を走っていた中国の選手2人を追いこし先頭に出た。この過程では中国の選手を全く妨害しなかった。スローモーションを見ると、逆に中国の選手がファン選手の足に手を出す場面が明確に確認される。

 韓国選手団はこの日の競技後、国際スケート連盟(ISU)に両選手に対する反則判定への異議を申し立て、8日午前には現地で記者会見を開き、ただちにスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴すると明らかにした。国際審判でもあるショートトラック代表チームのチョ・ヨング支援団長は「審判の判定が競技を支配してはならない」とし、「誤審が繰り返されるのであれば故意」だと述べた。

 韓国だけではない。他国の選手たちも、中国に一方的に有利な判定に対して被害を訴え、公の場で問題提起をしている。

 韓国の選手が準決勝から脱落した男子1000メートル決勝では、ハンガリーのリュウ・シャオリン・サンドル選手が最初に決勝ラインを通過したが、ビデオ判定で反則判定を受けた。一方、中国の選手たちは、一度も決勝ラインを1位で通過できなかったにもかかわらず、相手選手を失格させた判定のおかげで、金メダルと銀メダルを独占した。ハンガリー代表チームもISUに異議を申し立てた。これに先立ち、5日に行われた2000メートル混合リレーの準決勝では、中国の選手がハンガリーと米国の選手に続き3位で通過したが、米国の選手が反則判定を受け脱落したため、代わりに決勝に進出し金メダルを首にかけた。当時、中国の選手たちがバトンタッチをしなかったにもかかわらず、審判団は問題視しなかった。

 汗を流した努力と公正な競争がスポーツ精神であり、スポーツを通じて国際平和を増進することが五輪精神だ。開催国の中国は、このような精神を活かし大会を進行しているのか、自ら省みなければならないだろう。

 不公正な判定により韓国の選手たちが受けた心の傷は、とても言い表すことはできないだろう。それでも、この4年間に流してきた汗と涙が実を結ぶよう、残りの競技では最後まで最善を尽くしてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1030297.html韓国語原文入力:2022-02-08 22:10
訳M.S

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