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[コラム]文在寅の暗い遺産、ユン・ソクヨル

登録:2022-02-04 02:39 修正:2022-02-04 08:18
[編集局より]シン・スングン|政治エディター
ソウル大学のピョン・ヒョンユン名誉教授らは先月28日、反歴史的・反民主的勢力が時代を転覆させようとしている、ろうそく市民が再び立ち上がり、投票で守らねばならないと述べた。写真は2017年2月18日夜、ソウル光化門広場のろうそく集会=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社

 ソウル大学のピョン・ヒョンユン名誉教授ら民主改革政権を願う長老市民の会の130人の関係者は、旧正月連休の始まる先月28日、「反歴史的・反民主的勢力が時代を転覆させようとしている」とし「韓国の民主主義の今日のために献身した2017年ろうそく市民が再び立ち上がり、投票で守り抜かなければならない」と主張した。大統領選挙まで残すところ30日あまり。国民の力のユン・ソクヨル候補は本人・夫人・義母に疑惑があるにもかかわらず、依然として強い。非常に心配なことだろう。

 実のところ、ろうそく市民がユン・ソクヨル候補に投票しない理由は探すまでもなくあふれている。しかし20~30代男女を分裂させ、中国憎悪や南北対決を煽るなどの同氏の時代錯誤的な認識と言動、「女性家族部廃止」、「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)追加配備」のように数文字で意思を表す単純さにもかかわらず、同氏の支持率が保たれているのは、政権交代への熱望を抜きにしては考えられない。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権のこの5年は残念でやるせない。ろうそく市民の力で国政壟断勢力を審判し、盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の参謀だった文在寅大統領に政権を任せたのだが、失望は深い。「文在寅と共に民主党政権において、機会は平等であり、過程は公正であり、結果は正当なものとなるだろう」と述べた就任演説のとおりに、不平等と不公正の解消を期待した。しかし、成績表は散々だ。投機勢力には敗北しないと豪快に叫んだものの、不動産政策は文在寅政権の最大の失政となった。

 政治改革も誇るべきものはない。選挙制度改革は裏切りの象徴となった。準連動型比例代表制を無力化しようとして保守野党が衛星政党を作った時、文大統領と民主党はそれに立ち向かうことなく、むしろその隊列に合流し、自らを合理化した。進歩陣営のパイをともに拡大していくべき正義党を裏切り、シム・サンジョン代表をはじめとする正義党指導部を、世間知らずの無能集団にしてしまった。そのため4・15総選挙で民主党は180議席を獲得した。K防疫の成功神話がなかったら不可能だったはずの「ロト当選」のような圧勝だったが、その後も変わることはなかった。

 民主党所属の自治体の長による性暴力でソウル市長、釜山市長の再・補欠選挙が行われたのに、民主党は党憲・党規を変えて候補を立てた。これも言い訳をして正当化した。今になってソン・ヨンギル代表は、民主党が誘発したソウル鍾路区(チョンノグ)などの3つの選挙区の国会議員の再・補欠選挙で公認候補を出さないと約束した。しかし多くの人は、追い詰められているからしぶしぶ言っているのだと思っている。手段も目的も失ってから言っても後の祭りだ。

 文大統領が約束した「光化門(クァンファムン)時代」はどうか。結局、ユン・ソクヨル候補が、自分が大統領になれば就任初日から光化門の政府ソウル庁舎で執務を開始すると改めて公約する。大統領選挙のたびに必ずなされる「お約束公約」となってしまったようだ。

 大統領府は、文大統領の支持率が歴代のどの大統領よりも高いことを誇りに思っている。しかし「文在寅大統領はレームダックのない大統領という見栄えの良い迷いごとにとらわれていずに、絶望した明日のない若い世代に謝罪すべきだ」という長老市民の会の指摘を深く肝に銘じるべきだ。

 「ユン・ソクヨル候補は、私たち民主党政権の暗い遺産です。私たちのごう慢と、外に厳しく内に甘い態度の反射効果です」。ソン・ヨンギル代表のこのような告白は、せめてもの厳正な診断だ。暗い遺産が最高権力を握り、自ら光を放つ発光体になろうとしている。もし現実化すれば、検察改革を使命とした「ろうそく政権」の最悪の皮肉となるだろう。彼を検察総長に超高速出世させた文大統領の過ちとして記録せざるを得ない。

 聖公会大学のキム・ドンチュン教授は先日、フェイスブックにこのように書いた。「文在寅と民主党には初めから、この社会を変えるきちんとした青写真や準備はほとんどなかったのです。しかし、国民の力と守旧勢力に審判させてはなりません。文在寅が嫌いだからと言って状況に冷笑し、守旧勢力のクーデターに同調することはできないからです。大統領選挙の時代精神? 非常に残念ですが、そんなことを論ずる段階は過ぎました。クーデターは防がねばなりません」。選挙による政権交代をクーデターだとみなす同氏の見方は物議を醸すだろう。クーデターだとしても、それを阻止するためにはまず国民を説得しなければならない。長老たちの要求するように、文在寅大統領の身を切るような謝罪と反省が必要だ。そしてイ・ジェミョン候補は、なぜイ・ジェミョンでなければならないのかを、はっきりと示さなければならない。「話によどみはないがうそくさい」という人々、「どぶ川の龍と言われるが、盧武鉉のようなどぶ川のにおいがしない。既得権勢力になったのだと思う」と言うろうそく市民がいるということを、イ候補は深く考えるべきだ。

//ハンギョレ新聞社

シン・スングン|政治エディター (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1029514.html韓国語原文入力:2022-02-02 19:38
訳D.K

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