野党「国民の力」のユン・ソクヨル大統領候補の配偶者であるキム・ゴンヒ氏が26日、自身の「経歴詐称」疑惑について一部を認め、謝罪した。キム氏は「いい印象を与えようと経歴を大袈裟に言い、誤って書いたところもあった」とし、「すべてが私の過ちであり手落ちだった。どうか許してほしい」と述べた。さらに、「残りの選挙期間中、静かに反省し省察する時間を持つ」とし、「夫が大統領になっても、妻の役割を忠実に果たすだけ」だと語った。
キム氏が「経歴詐称」疑惑について公式に謝罪したのは、14日にYTNが最初に報道してから12日後のことだ。これまでキム氏は、15日に記者団の質問に「事実関係の有無は別として、お詫び申し上げる」と間接的に謝罪しただけだった。事実関係の有無が優先されなければならないという要求には、沈黙を貫いた。一足遅れて出てきたこの日の謝罪に対しても、国民の要求に応じる誠実な謝罪には遠く及ばないという評価を下さざるを得ない。
キム氏は「国民の皆さまに心よりお詫び申し上げる」と涙声で話した。しかし、国民が期待した事実関係についての具体的な説明と自身の責任に対する言及は、まるごと省いた。キム氏にかけられている疑惑は、これまで明らかになったものだけで、15年にわたり少なくとも5つの大学に虚偽の経歴の履歴書を提出し、講師と兼任教授に採用されたという内容だ。それ自体、深刻な道徳的逸脱であるだけでなく、いくつかの疑惑には「私文書偽造」や「詐欺」などの犯罪の疑いまで提起されている。これらについての疎明をまったくすることなく、「いい印象を与えようと経歴を大袈裟に言い、誤って書いたところもあった」というあいまいな言葉で状況を逃れられると考えたのであれば、大きな錯覚である。
キム氏本人の代わりに国民の力が「疑惑について説明させていただく」と出した資料も、ほとんどの事案を「不正確な表記」だとごまかしている。「法的責任」の議論が提起されている問題については巧みに避けようとする姿が目立つ。「私文書偽造または虚偽作成」などの犯罪の疑いが提起された韓国ゲーム産業協会の在職証明書の発給について、国民の力は「非常勤の者が法人の印鑑を盗用したり偽造したりするということは、想像もできない」と否定した。しかし、疑惑の重大性に照らす場合、そのような話ですむ問題ではない。6カ月間の最高位の課程に含まれる5日間の日程の訪問プログラムを「ニューヨーク大学研修」だと続けて記載したことについても、「申し訳ない」という表現さえなく、「履歴書に書くことができる」と主張した。厚かましい態度だ。キム氏と国民の力は、このような形の責任逃れの意図が見え透いた謝罪では、国民を納得させられないということを肝に銘じなければならない。