韓米の外交・国防長官は18日、「北朝鮮の核と弾道ミサイルの問題が同盟の優先関心事」だと確認し、「韓米間で完全に調整された対北朝鮮戦略」のもとで協力することにした。米国のアントニー・ブリンケン国務長官は2日連続で北朝鮮と中国に対し強い批判を続けた一方、北朝鮮核問題の解決のための中国の役割を強調した。米中間で韓国の悩みがさらに深まった側面はあるが、危機から好機を作る慎重な戦略と外交努力がよりいっそう重要になった。
韓国と米国は、外交・国防長官会合(「2プラス2」)の後に採択した共同声明で、北朝鮮の核と弾道ミサイルの問題が同盟の優先の関心事であることを再確認し、米国の対北朝鮮政策の検討に関する協議を続けていくことにした。中国を直接攻撃はしなかったが、韓国・米国・日本の3国の協力の重要性を確認し、国際秩序を損なう行為に共に対抗するという意向も明らかにした。
韓国の立場を反映した共同声明とは別に、米国のブリンケン国務長官は記者会見で「北朝鮮の住民は圧制的な政権のもとで広範囲かつ体系的に蹂躪されている」とし、北朝鮮の人権問題を強く批判した。この日、北朝鮮外務省のチェ・ソンヒ第1副部長は談話で、米国が北朝鮮に接触しようとしたと明らかにし、「米国の対朝鮮敵視政策が撤回されない限り、いかなる朝米の接触や対話も成立できない」と対抗した。 朝米が長い沈黙を破り本格的な探索に乗りだした局面でも、接点探しの難易度はさらに高まったようにみえる。
前日の香港・台湾・チベット・南シナ海を取りあげ中国を非難したブリンケン長官は、この日も「中国の反民主主義的な行動に対抗することがよりいっそう重要だ」と強く発言した。ただし、「中国は北朝鮮が非核化するよう説得することで極めて重要な役割を果たせる」と強調した部分は、注目に値する。ブリンケン長官の強硬発言は、18~19日(現地時間)に米国のアラスカで開かれる米中高官級外交当局者会談を念頭に置いた駆け引きという色合いが濃くみえる。人権と民主を強調して中国に譲歩を要求すると同時に、北朝鮮問題では中国と協力できることを示唆したものだと解釈される。
この日の会談では、中国の牽制を念頭に置いた協議体である「クアッド」に韓国が参加する問題は、直接論議しなかったことが分かった。しかし、米中対立の中で韓国のジレンマは大きくならざるを得ない。中国と経済および朝鮮半島情勢で円満な協力関係を継続し、同盟と人権問題などでは原則に即した慎重かつ緻密な外交努力がよりいっそう切実になっている。