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韓米2プラス2共同声明「北朝鮮の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先関心事」

登録:2021-03-19 06:13 修正:2021-03-19 09:19
5年ぶりに韓米外交・国防長官会合(2プラス2)開催 
 
「韓米間で完全に調整された北朝鮮戦略の下で扱われるべき」 
米国務長官の対朝・中強硬発言めぐる意見の相違も 
チョン外交部長官「米中いずれも重要」
文在寅大統領が18日、大統領府で米国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官との会談の前に記念撮影をしている。左側からオースティン長官、ブリンケン長官、文大統領、チョン・ウィヨン外務部長官、ソ・ウク国防部長官=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓米の外務・国防長官らが18日、「北朝鮮の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先関心事」であることを確認し、「韓米の間で完全に調整された北朝鮮戦略」の下で扱われるべきということで意見を合わせた。両国は二日間の協議で韓米同盟の堅固さを高く評価したが、北朝鮮と中国へのアプローチをめぐっては一部意見の相違が露呈した。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は同日、大統領府を表敬訪問したアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官と面会し、「北朝鮮の完全な非核化を含む朝鮮半島平和プロセスの実現に最善を尽くす」とし、「韓米が共同の包括的な北朝鮮戦略を講じる必要がある」と述べた。さらに「韓日関係の復元のために引き続き努力する」意向を示した。これに先立ち、チョン・ウィヨン外交長官、ソ・ウク国防長官は米国の2人の長官とともに午前、外交部庁舎で韓米外交・国防長官会合(2プラス2)に臨んだ。今回の会議は2016年10月に米ワシントンで開かれて以来5年ぶりに開催された。

 韓米は協議の結果を盛り込んだ共同声明で「北朝鮮の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先関心事であることを強調し、この問題に対処して解決するという共同の意志を再確認した」と明らかにした。また「北朝鮮を含む国際社会が、関連する国連安保理決議を完全に履行することが重要であるということを確認した」と付け加えた。さらに「こうした問題は韓米間で完全に調整された北朝鮮戦略の下で扱われるべきということで意見が一致した」と伝えた。しかし、ブリンケン長官は前日に続き、同日の会見でも再び中国に関する強硬発言を行う一方、北朝鮮についても「北朝鮮住民は圧制的政権の下で広範囲かつ体系的な(人権)蹂躙を受けている」として、再度批判を展開した。

 韓米は共同声明に「中国」を名指ししたわけではないが、ブリンケン長官は会見で「われわれ(韓米)は中国が約束を一貫して破ってきたことを明確に認識している」としたうえで、「中国の攻撃的かつ権威的な行動がインド太平洋地域の安定と安保および繁栄にどんな困難をもたらしているのかについて議論した」と明らかにした。さらに「中国のこのような行動のため、米国と同盟国間の共通したアプローチがより重要になった」と強調した。チョン長官は同日午後、「聯合ニュースTV」に出演し、「米国と中国の両国は我々にとって重要だ」と述べ、ブリンケン長官の相次ぐ強硬発言とは距離を置いた。

 重要な韓米懸案である戦時作戦統制権(戦作権)の移管については、オースティン長官が「移管の条件を満たすにはさらに時間がかかるだろう」と述べ、早期移管に支障が出ていることを示唆した。北朝鮮に対する「敵視政策」の撤回の象徴である韓米合同軍事演習の中止要求については、共同声明で「合同演習・訓練を通じ、同盟に対するすべての共同脅威に対応して合同の準備態勢を維持」すべきという立場を明らかにした。北朝鮮の要求を事実上、拒否したわけだ。

 一方、チェ・ソンヒ北朝鮮外務省第1次官は同日、「朝鮮中央通信」を通じて公表された談話で「米国は2月中旬から(国連代表部がある)ニューヨークを含む様々なチャンネルを通じて接触を試みてきた。われわれは再び米国の時間稼ぎに応じる必要はないと思っている」と述べた。ブリンケン長官はこれに対し、これといった反応を示さなかった。

キム・ジウン記者、パク・ビョンス、イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/987388.html韓国語原文入力:2021-03-1902:44
訳H.J

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