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[コラム]鬱憤社会韓国は持続可能か

登録:2021-01-04 00:54 修正:2021-01-14 10:12
ハン・グィヨンㅣハンギョレ経済社会研究院社会政策センター長

 「鬱憤社会」、韓国社会を説明する新たな修飾語だ。韓国人の43.5%が慢性的な鬱憤状態に陥っており、ひどい鬱憤を基準にすればドイツの4倍水準だという。ソウル大学保健大学院のユ・ミョンスン教授の最近の調査研究の結果だ。

 鬱憤は怒りとは異なる。鬱憤は怒りに無力感が結合した複合的な感情だ。怒りは時によって巨大な社会変化をもたらすこともある. チェ・スンシル国政壟断に怒った2016年冬のろうそく集会のように。しかし、努力したら何か変わるという希望が持てない時は、鬱憤と化す。この研究で注目を集めたのは、20代や30代など若いほど激しい鬱憤を感じていることだ。20代が韓国社会の持続可能性を最も懐疑的に見ているというハンギョレ経済社会研究院の最近の調査結果とも重なる。

 今年9月にハンギョレ経済社会研究院とグローバルリサーチが発表した調査によると、「政治や経済、社会、環境など総合的に判断した場合、韓国社会の持続可能性」に関する質問に対し、楽観的な見通しが21.7%、悲観的な見通しが42.1%だった。20代において楽観的な見通しを示した割合は19%で、60代と共に最も低かった。持続可能性を政治や経済、社会保障、環境、外交など分野別に分けて評価した時も結果は類似していた。20代は環境分野を除いた大半で楽観的な回答が最も少なかった。

 特に目を引くのは、20代内における性別の違いだ。大半の項目で、20代女性は韓国社会がこれ以上持続可能ではないという明確で一貫した認識を示している。20代女性は「韓国社会の持続可能性」について16.6%だけが楽観視していると答え、20代男性(21.2%)に比べてもっと悲観的な見通しを示した。分野別細部評価でも状況は類似していた。

 20代の女性はなぜ挫折しているのか?調査結果は、公正性に対する不信感がキーワードであることを物語っている。「努力すれば今よりもっと良い社会経済的地位を得られると思うか」という質問に対し、20代女性は36.2%だけが「そうだ」と答えた。同年代の男性(55.3%)より非常に少ない。全体的にみると、「そうだ」と答えた人は44.8%で、「そうは思わない」と回答した人は55.2%だった。「韓国社会を構成する社会経済的上位階層は、その地位に値すると思うか」を問う質問にも、20代女性は22.8%だけが「そうだ」と答え、同年代の男性(41.1%)のほぼ半数だった(全体平均27.9%)。「就職と昇進は平等に行われているか」という質問にも、20代女性の16.8%だけが平等だと答えた。全体平均(26.3%)はもちろん、同年代の男性(33.3%)の半分にとどまっている。韓国社会の根幹を成すシステムと既得権集団に対する不信感が、特に20代女性に根強く定着していることを示す結果だ。

 ここ数年間、様々な調査研究が、20代の女性が社会的弱者に対する連帯や変化のための実践などに最も積極的な集団だという点を一貫して示してきた。人権意識や権利意識が高く、日常の微視的変化を追求するという点で、従来の革新勢力とも異なるといわれている。ソウル大学社会学科のチャン・ドクジン教授が、20代女性の民主主義的実践を「今まで韓国政治は全く知らなかった新しい種類の民主主義」と称えたのもそのような見解からだ。

 革新勢力の砦とまで見なされていた20代女性が、韓国社会の未来を最も悲観する逆説をどのようにとらえるべきか。結婚と出産の拒否が端的に示すように、不安と不信感には理由がある。大学卒業後3年間アルバイト先と塾を行き来しながら就職を準備している20代の知人女性は「一生懸命努力しても今とあまり変わらないかもしれないと思うと、もどかしく不安だ。将来が不安なため、結婚して子どもを産もうとは思わない」と打ち明けた。努力しても、能力を発揮しても、報われないかもしれないという不安感と不信感が彼女たちの未来を暗くしている。

 女性が学業成績の面で男性を上回って久しい。公務員など狭き門を突破する女性もかなり多くなった。マスコミは実力と自己肯定感で武装した「アルファガール」が押し寄せると大騒ぎしてきた。若い男性たちは逆差別の被害意識を訴えている。しかし、実際に女性たちが直面する世界は、公正でも正義でもない。この「認知的不協和」が20代女性を悲観に導いている。持続可能性がキーワードの時代だ。20代の女性の大半が無力感からくる鬱憤に満ちた社会、未来を悲観する社会が持続できるだろうか。今、私たちが考えなければならない質問だ。

//ハンギョレ新聞社
ハン・グィヨンㅣハンギョレ経済社会研究院社会政策センター長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/914471.html韓国語原文入力:2019-10-2514:08
訳H.J

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