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[社説]韓国検察総長の「懲戒議決書」には「停職は重すぎる」という主張の根拠はない

登録:2020-12-18 07:44 修正:2020-12-18 08:37
ユン・ソクヨル検察総長が15日夕方、ソウル瑞草洞の庁舎から退勤している/聯合ニュース

 ユン・ソクヨル検察総長に対し「停職2カ月」の懲戒を議決した法務部の検事懲戒委員会の「懲戒審議・議決要旨」が17日に公開された。懲戒委員会は、「(認定された)不正の事実は、懲戒量定の基準上、それぞれ停職以上の解任に相当する重い事案で、総合的に解任が可能だが、検察総長に対する懲戒として類例がない事件という点から、多くの特殊な事情を考慮した」と説明した。嫌疑の事実を総合的に判断すれば解任は可能だが、検察総長の任期の保障など多くの事情を考慮し、2カ月の停職に決めたということだ。実際に「懲戒審議・議決要旨」を丹念に読めば、今回の懲戒は重すぎはしないレベルだ。

 まず、「判事査察」疑惑文書の場合、懲戒委員会は、「検察の意向に反する判決を下す判事に不利な世論の雰囲気を形成し、良くないイメージを広め攻撃・誹謗したり嘲弄の材料にすることに悪用される余地が濃厚」だとし、裁判に及ぼす悪影響を指摘した。また、検察総長がこのような文書の作成と配布を指示したことは、職権乱用であるだけでなく個人情報保護法違反と判断した。チャンネルA事件に関しては、ユン総長が事件関係者であるハン・ドンフン検事長と2~4月に約2700回連絡をとるなど密接な関係を維持しながらも、自ら事件の指揮を回避しなければならない法的義務を守らず、むしろ迅速な強制捜索が可能な最高検察庁監察部の監察を中断させ、事件関係者に証拠隠滅の機会を与えるなど、捜査を妨害したと明らかにした。

 ユン総長の政界進出を示唆した発言についても、「どのような場合でも、越えてはならない検事の本分を越えてしまった」と指摘した。懲戒委員会は、「検察総長の任期制を規定する理由は、まさに政治的中立性の確保にある」とし、「むしろこの事件では、政治的中立に対する信頼毀損が不正の事実になっているため、ユン総長の任期を保証することが適切であるのかについて深く熟議をした」と明らかにした。懲戒委員会はこのほかにも、量刑の議論で検事の身分を保証する法律の趣旨や、懲戒請求後に形成された多数の検事たちの意見、職務停止命令に対する裁判所の決定趣旨など、ユン総長に有利な要素を多く考慮した。

 このような事実が重い懲戒の事由にならなければ、検察総長は言葉通り絶対的な職位になるわけだ。これまでユン総長側は懲戒手続きに関する抗弁を主に行ってきたが、懲戒が不当だとみなすなら、これから懲戒事由になった行為の事実関係と適切であるかの是非についても国民の前で説明する必要がある。事案の社会的反響を考えれば、個人レベルの訴訟ばかりにしがみつくことではない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/974785.html韓国語原文入力:2020-12-18 02:44
訳M.S

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