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[社説]大企業支援、「黒字倒産」と「構造的不良」の玉石を選り分けよ

登録:2020-04-13 06:52 修正:2020-04-13 07:47
航空業界がCOVID-19事態で直撃弾を受ける中、イースター航空は全路線の運航を1カ月間全面中断したのに続き、全職員の18%水準である300人をリストラすることに決めた//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)事態で大きな困難に直面している基幹産業に対して支援策を準備している。業界では政府支援が小商工業者と中小企業にのみ集中し、大企業には消極的との不満も出ている。COVID-19事態で一時的な経営難に直面している大企業は積極的に支援する必要がある。一方、COVID-19以前から構造的に不良だったり競争力を失った大企業は玉石を選り分ける必要がある。

 キム・ヨンボム企画財政部第1次官は10日、「国内主力産業が直面する困難を密着点検し、様々な克服案を出す」と明らかにした。政府は小商工業者などの脆弱階層の支援と金融市場の不安解消のために発表した100兆ウォン(約9兆円)の民生・金融安定支援策とは別の対策を準備中だ。

 最近、航空・海運・精油などを中心に大企業の緊急救助信号が続く。一例としてCOVID-19で直撃弾を受けた航空業界は休職、賃金カット、希望退職などの自己救済策を講じると共に、無担保低金利融資、社債支給保証など追加支援を要請した。基幹産業は国家経済の腰と同じだ。雇用と前後方の産業に関わる効果が大きい。一度崩れると打撃が大きく、復元にも莫大な費用がかかる。

 今、困難を負っている大企業には2つのタイプがある。COVID-19事態のために一時的に経営難に直面していたり、黒字倒産の危険性がある場合は積極的な支援が必要だ。航空は旅客需要が急減して瀕死状態だが、事態が鎮まれば回復が可能だ。政府が低価格航空会社を中心とした金融支援策を打ち出したが、追加支援もタイミングを逃すことがあってはならない。米国など各国が自国の航空産業の崩壊を防ぐために率先していることも注視すべきだ。その代わり、大企業も政府に救済の手を求めるだけではなく、骨身を削る自己救済の努力により国民的共感を得なければならない。大韓航空の持株会社である韓進KALのキム・ソクドン取締役会議長が12日、「自己救済策をスピード感を持って進めよ」と強調したのは時宜にかなっている。

 ただし、COVID-19以前から経営難に直面している大企業は、今回の事態が鎮まっても正常化は容易ではない。政府の支援が「底の抜けた瓶に水を注ぐ」ことになる危険性がある。その場合、支援の前に実績改善のための経営回復案、事業や資産の売却などの自己救済努力や大株主へ苦痛を分担することを要求するのは避けられない。代わりに政府は構造調整後の雇用ショックや産業環境に及ぼす悪影響に対する事前対応を徹底的に行わなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/936720.html韓国語原文入力:2020-04-13 02:10
訳M.S

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