本文に移動

[社説]安倍政府「韓国からの入国制限」撤回を

登録:2020-03-07 09:01 修正:2020-03-07 12:19
カン・ギョンファ外相(右側)が6日午後、ソウル鍾路区政府ソウル庁舎の外交部に冨田浩司駐韓日本大使(左側)を呼び出した後、面談するため席に向かっている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 日本政府が9日から韓国と中国からの入国者について「2週間待機」を要請すると5日明らかにした。言葉は「待機要請」だが、事実上の隔離措置で入国拒否するという意味だ。発行済みのビザも今月末まで効力を停止するとした。これに対して韓国政府も9日から日本人に対するビザ免除を中断し、発行済みのビザの効力も停止すると6日明らかにした。また、日本から入国する外国人に対して特別な入国手続きを適用することにした。

 日本政府は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡散防止のためとしたが、韓国政府と事前協議や予告なしの一方的な措置だ。安倍政権が初期防疫に失敗した責任を無理やり押し付けようとする意図と見られる。ただでさえ悪化していた韓日関係により一層の悪影響を及ぼすことが明らかだ。問題解決のために日本が先に韓国からの入国制限措置を撤回するのが正しい。

 安倍政権がこのような措置を出したのは、日本国内で感染病が広く拡散し、政府の防疫失敗に対する批判が激しくなったためと見られる。日本の感染者は1000人を超えた。一部では検査数が韓国の10分の1にも及ばない点を考慮すると、実際の感染者は1万人を超えているはずだとの観測が出ている。自民党議員の間でも政府の防疫失敗に対する批判の声が大きくなっている。そこで来月に予定されていた中国の習近平国家主席の訪日が延期され、中国からの入国者遮断の政治的負担が減ることになり、今回の措置を奇襲的に発表したのではないかと思われる。

 しかし、日本国内の感染拡散は安倍政権の不十分な対応から自ら招いた側面が大きい。例えばクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の横浜入港時に感染者を確認してからも3日間何の措置も取らなかったり、一歩遅れて搭乗客全員を船上隔離するなど遅い対応で事態を大きくした。日本でも「すでに地域社会の感染が進行した状況では、入国者遮断は実効性はない」との批判が出ている。したがって、日本政府が直ちに行うべき事は入国者遮断ではなく地域社会の防疫強化だ。

 韓国外交部はこの日、冨田浩司駐韓日本大使を呼び出して強く抗議したのに続き、予告通りに対応措置を出した。事態がこのようになった責任は先に入国制限に乗り出した日本側にある。韓国政府は日本国内の感染拡散状況などを見守り、追加措置の有無を検討するとした。両国関係がさらに悪くなる前に日本が先に入国制限を撤回しなければならない。

 韓国国内の感染者は6千人を超えたが、累積検査数が16万余り件に達するなど、韓国の透明かつ体系的な防疫システムは国際社会でも高く評価されている。日本も今回少なくない弱点を見せたが、優秀な防疫システムを備えているという評価を受けている。韓日両国は臨床経験や情報共有などで緊密に協力して共に感染病退治に立ち向かう姿勢を整えることが必要だ。日本政府の前向きな措置をあらためて促す。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/931526.html韓国語原文入力:2020-03-07 02:35
訳M.S

関連記事