強制動員問題の解決に参加してきた韓国と日本の弁護士や市民団体が6日、ソウルと東京で同時に記者会見し、真の問題解決のためには、加害者の事実認定と謝罪、賠償、事実と教訓の後世継承の三原則が満たされなければなければならないと表明した。これまで韓日両国で強制動員の被害者を代弁してきた彼らが問題解決の基本立場を確認したことの意味は小さくない。
彼らは昨年、この問題が韓日外交の中心課題として浮上してから解決策を巡り数カ月間協議を繰り返して、今回の記者会見を通じて公開することになったと明らかにした。両国政府、特に日本は「被害者中心主義」により彼らの声に耳を傾け、強制動員問題の解決を図るように願う。
日本政府が強制動員の被害請求権について「1965年の請求権協定ですでに全て解決された問題」として目を背けているのは周知の事実だ。しかし、従来日本の各裁判所は「請求権協定で消滅したのは外交的保護権だけで、個人請求権は失われていない」という判断を下している。安倍政権はもはや55年前の協定を盾にするのでなく、日本の司法と良心的な市民社会の判断を尊重すべきである。直ちに直接の対応を取るのが難しければ、まずは日本製鉄や三菱に下された「被害者の権利救済要請に応じるな」という指針を撤回し、当事者間の自律的な和解摸索の道から開かなければならない。
この問題の本質は、両国の弁護士や市民団体が明らかにしているように「被害者の人権問題」である。国家間のいかなる合意も、被害者が受け入れられるものでなければならないという事は言うまでもない。2015年の慰安婦問題合意の際、被害者の意見の取りまとめなしに突然政府間で合意をして大きな後遺症を体験し、韓国は「被害者中心主義」を過去の問題解決の原則として確立したところである。今回の問題解決の過程で同じ失敗を繰り返さないために、韓日両政府は今回提示された三原則を問題解決の基礎とする努力をすべきである。
この日の記者会見では、具体的解決策を検討するために韓日両国の政済界や学界、弁護士、市民団体が共に参加する「協議体創設」も提案された。強制動員問題が韓日両政府間の立場の違いで進展していない状況で、多様な分野の人々の広範な合意に基づいて解決策を模索しようとする試みは検討してみる必要がある。韓日の両政府や政界の前向きな議論を期待する。