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[社説]相次ぐ「有罪判決」サムスン、「申し訳ない」で済ませてはならない

登録:2019-12-19 00:11 修正:2019-12-19 08:15
金属労組サムスン電子サービス支部の組合員らが17日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた労組解体事件の判決公判後に記者会見を開き、立場を表明している。キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 サムスンは18日、サムスン電子とサムスン物産名義の文書を通じて「労使問題によって多くの方々にご心配をおかけし、失望させて申し訳ない」と発表した。サムスン電子の子会社であるサムスン電子サービスの労組解体事件にグループが組織的に介入したという理由で、前日にサムスン電子取締役会のイ・サンフン議長や同社のカン・ギョンフン副社長をはじめとする元・現役員が大勢実刑(一審)を言い渡されたことによるものだ。8月にはイ・ジェヨン副会長の収賄事件で最高裁の有罪判決が出され、今月にはサムスンバイオロジックスの証拠隠滅、サムスンエバーランド労組解体事件でも有罪判決(一審)が出されている。まぶしい実績を誇るグローバル企業という名声にはまったく似つかわしくない惨憺たる姿だ。

 サムスンの労組解体事件は2013年に正義党のシム・サンジョン議員が150ページにおよぶ『Sグループ労使戦略文書』を公開し、世論をにぎわせた。二度の判決で認めたように、サムスンは労組結成の動きがあれば対応チームを作って監視し、狙い撃ち監査、解雇、偽装廃業を通じて労組破壊に明け暮れた。このような「犯罪的行動」を法廷で断罪するのに6年もかかった。検察が捜査に一度ふたをし、裏金を受け取った警察官が脱法を助けたからこそ可能だったはずだ。労働部と経総(韓国経営者総協会)も外部助力者としてふるまった。

 サムスンは8月の最高裁判決直後にもサムスン電子名義の文書を出している。しかし、事件の重さにふさわしい反響を呼ぶことはできなかった。「国民にご心配をおかけし、申し訳なく思い、過ちを繰り返さないようにする」という原論的な言及にとどまった。

 サムスンは今回の文書でも、「労組に対する視線と認識が国民の目線と社会の期待に達していなかった」とし、「未来志向的で健全な労使文化を確立していく」と表明している。欧州で労働組合が合法化されてから100年を優に超えているというのに、グローバル企業サムスンがようやく「労組に対する視線と認識」を反省するということを、一体どう見るべきか。安易極まりなく、本当に過ちを反省しているのか疑問を抱かせる謝罪文と言わざるを得ない。

 サムスンは時代錯誤的な「無労組経営」を直ちにやめ、「労組を作る権利」を実質的に保障する方策を提示すべきだ。解体工作の対象だった組合員に謝罪し、労組をパートナーとして受け入れる姿勢が、究極的には会社にとっても有益であることに気づくべきだ。グループの経営陣がじかに反省の念とともにシステムの改善策を打ち出して、生まれ変わる努力をしてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/921312.html韓国語原文入力:2019-12-18 17:37
訳D.K

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