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[社説]安倍政権は韓日関係・東アジアの平和を重く受け止めよ

登録:2019-07-22 06:42 修正:2019-07-22 07:56
日本の参議院選挙、自民・公明が過半数超える 
少なからぬ牽制勢力により“改憲ライン”確保はできず 
トランプ大統領「韓日が希望すれば対立に介入」を示唆
安倍晋三首相が自民党党本部に現れ、21日に行われた参議院選挙で当選が予想される候補者らの名前にバラの花のリボンをつけている=東京/ロイター・聯合ニュース

 21日に行われた日本の参議院選挙で、安倍晋三首相の自民党と連立政党の公明党が改選議席(124議席)の過半数を占めた。日本維新の会を含む改憲勢力は、参議院全体改憲ラインの3分の2(全体245議席のうち164席)を確保することはできなかった。安倍首相は「大きな勝利」と主張したが、安倍政権に対する牽制がある程度なされたものとみられる結果だ。

 2012年第2次安倍内閣が発足以降、6度目に迎えた選挙(地方選挙を含む)で、今回ほど韓国国内の関心が高かったことはなかった。日本の平和憲法改正論議が岐路に立たされたためでもあるが、韓日関係をめぐり攻勢を続けている安倍政権の行方を占う選挙と見られたからだ。韓国に対する輸出規制を自民党の“選挙用戦略”に限定してしまっては、あまりにも狭い視角になるだろう。しかし、衆院・参院いずれも改憲ラインの確保という“両翼”を安倍政権が付けた場合、政権の独断的決定や独走を牽制する装置がほとんどなくなるという点で、懸念せざるを得ない。

 安倍首相は選挙の過程を通して「責任をもって論議する政党か、無責任に審議すら拒否する政党か」を強調し、改憲問題を前面に押し出した。これは「老後の生活に年金以外に2千万円が必要」という報告書による波紋や、消費税引き上げ問題など、野党が強く提起する問題から論点をすり替えようとする意図もあるが、自民党の選挙スローガン「新しい時代」が象徴するように、日本の「戦後70年の秩序」を変えるという野心に他ならない。日本で改憲は、下院である衆議院の3分の2、上院である参議院の3分の2が発議すれば、国民投票に付され、投票した人の過半数の賛成で決まる。2017年の衆議院選挙で80%近い改憲勢力を確保した安倍首相は、2020年の改憲を言及してきた。今回、3分の2を得られなくても、一部の保守的野党勢力を攻略し、改憲議論を本格化するというのが大方の予想だ。

 問題は、このような安倍首相の計画が「戦争を放棄する」と明示した平和憲法の上で繁栄を成し遂げた日本の戦後体制を揺るがすだけでなく、最近の情勢とあいまって東アジアなど国際社会の緊張高潮につながることにある。韓国に対する日本政府の貿易報復の動きをめぐり、国際世論は批判的に動き始めた。イギリスの「エコノミスト」が、経済的にだけでなく地政学的にも「日本の自傷は無謀だ」と指摘したのが代表的な事例だ。ドナルド・トランプ米国大統領が一昨日、「韓日首脳が望むなら」という条件を付けながらも、介入の可能性を示唆したのも、韓日関係が単に両国の問題にとどまらないことを示している。何よりも、韓国の強制徴用被害者問題からも分かるように、過去を省みず、現在の国際貿易秩序まで揺さぶる日本が、「戦争できる国」になるのを喜ぶ周辺国はいないだろう。

 日本が「脱亜入欧」を掲げていた約100年前と、今の国際秩序は完全に異なる。韓国ももはや日本の“脅威”に怯える国ではなくなった。日本は24日まで韓国をホワイト国から排除するかどうかについて、意見を聴取すると明らかにした。国際社会の憂慮を重く受け止め、安倍政権が賢明な選択をすることを望む。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/902730.html韓国語原文入力:2019-07-21 22:02
訳H.J

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