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[社説]5G時代の幕開けで名実共に世界初へ

登録:2019-04-05 00:58 修正:2019-04-05 08:24
5G時代の幕開//ハンギョレ新聞社

 韓国内移動通信3社のSKテレコム、KT、LGユープラスが3日午後11時、世界で初めて5G(5世代移動通信)サービスを始めた。3社は当初5日からサービスを開始する計画だった。しかし、11日からサービスを始める予定だった米国の移動通信1位業者のべライズンがサービス開始を4日に繰り上げるという情報を入手して、日程をさらに二日繰り上げたのだ。通信網、専用端末機(サムスンギャラクシーS10 5G)、料金制などの諸条件が取りそろった状況であったため可能だったものだ。韓国と米国は昨年から「世界初」のタイトルをめぐって本格的な競争を繰り広げてきた。

 5Gは超高速・超大容量・超低遅延・超連結が特徴だ。データ容量がいくら大きくても超高速で途切れずにデータをやりとりし、管理できる。一例として、15GB分の高画質映画一本を6秒でダウンロードすることができる。4G(LTE)より40倍はやい。伝送速度だけでなく、応答速度も10倍以上向上する。また、日常生活に情報通信技術(ICT)が隅々まで入ってきて、通信可能なあらゆる物がクモの巣のように連結される「超連結時代」が可能になる。5Gサービスはいわば第4次産業革命の柱となるインフラだ。このような5Gサービスで韓国が「世界初」のタイトルを得、「情報通信強国」の地位が改めて確認された。また、国内外の5G市場を先行獲得して先導するチャンスをつかむことになったという点で、実質的な意味も大きい。

 ただし、まだ基地局が不足していて当分は首都圏と一部広域市のみ利用が可能だ。また、5Gの電波は直進性が強く、基地局がたくさん設置された大型建物でなければ室内で通話が困難なこともあり、地下鉄でも利用できない。4Gのように自由に使えるのは今年年末になると見られる。通信網の全国的な構築時点は2022年と予想されている。

 5Gサービスは船出したものの、まだ開始段階に過ぎない。今後どれくらい中身を充実させ潜在力を最大化するかがカギだ。何より消費者に5Gの効用を見せるコンテンツが不足している。そのため多くの消費者が5Gがなぜ必要なのか体感できていないのが現実だ。利用者拡散のためには、革新的なコンテンツと多様なサービス開発が目前の宿題だ。企業間の生産的競争を通じて、高い端末機や通信料金も下げなければならない。

 また、5Gが個人の日常生活を越えて産業全般の革新を招く起爆剤にならなければならない。自動運転車、スマート物流、スマート工場、スマート農場など新産業の育成を促進するのはもちろん、生産性低下の溝に落ちている製造業をはじめとする既存の産業に情報通信技術をつないで効率性を高める突破口にしなければならない。

 5G時代には通信セキュリティーと安全問題の危険性もそれだけ大きくなる。事故が一度発生すれば、以前とは比較にならない深刻な社会的災難を招きかねないため、徹底した準備が必要だ。5G時代には1%の事故の発生の可能性を100%として見る認識の転換が要求されるという指摘が出るのもそのためだ。

 政府と企業が広い見解と長い目で国家的次元から力を結集させ、私たちが新しく舞台に立った5G市場をリードしていくことを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/888773.html韓国語原文入力:2019/04/04 18:30
訳T.W

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