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[寄稿]難民問題、人が先だ

登録:2018-07-12 09:39 修正:2018-07-12 10:03
シェク・アル・マムン移住労働者労組首席副委員長//ハンギョレ新聞社

 アッサラームアレイコム!済州島(チェジュド)に来たイエメン難民のために国中が騒がしくなりました。いま韓国では、多くの人が難民の受け入れに反対しています。私は、済州のイエメン難民の受け入れに反対し、国民請願に参加した人たちの数を見て驚きました。私も20年間移住民(移住外国人)として韓国に住んで、移住民に対する嫌悪発言をたくさん聞きましたが、そのような嫌悪を持った人々が多いわけではないと思っていました。

 今回の事態を通して、多くの人たちが難民問題やイスラム宗教についてよく知りもせず、この問題についてむやみに話しているように思われます。済州のイエメン難民に対する根拠のない話がたくさんあります。ムスリム難民が多くなると性犯罪が増え、韓国の人々の雇用が多く奪われるようになると言います。今も韓国には既に多くのムスリムが暮らしていますが、韓国社会でムスリムのために犯罪率が高いという統計はどこにもありません。また、韓国社会で難民たちは主に日雇いを転々としながら暮らしています。韓国の人々が忌避する仕事、しかし必ず誰かの手が必要な仕事を、難民たちがしています。

 「ムスリムは犯罪者」という論理は当たりません。どこにもセクハラや犯罪を犯せという宗教はありません。人は国籍と宗教を選択して生まれるのではありません。運命のように国籍と宗教を与えられるのです。私もバングラデシュで生まれ、ムスリムの家で育ちましたが、もし私が韓国で生まれていたら、キリスト教や仏教のような宗教を信じるようになった可能性もあるのです。

 私が幼い頃、韓国に旅行に行って帰ってきた叔父は、私に「韓国は市場でヘビを売って、韓国人はヘビを好んで食べる」と言いました。時が経って、私が韓国で労働者として工場で働いていた時、一緒に働いていた韓国人の仲間にヘビを食べるかと聞いたことがあります。すると、彼は冷ややかな反応を示し、世の中に食べるヘビがどこにいるんだと言いました。私はその時、叔父が言ったヘビはうなぎだという事実を知りました。このように、人は知らないことに対して恐怖を持つようです。まだ韓国社会はムスリム文化を経験していなかったため、このようにムスリムに対する嫌悪や恐怖があり得るのだと思います。しかし、今は知ろうとすればいくらでもちゃんと知ることができる世の中です。知りたいという気持ちが必要です。それで、済州のイエメン難民たちがどんな心境で韓国の地に来ているか、もう一度考えてもらえればと思います。難民であれ移住労働者であれ、誰でも故国を離れて他の国で生きようと決心するのは並大抵のことではないと思います。

 数日前にある時事番組で司会者が言った言葉のように、韓国の難民審査は甘くなく、全ての難民に難民認定をするわけではないため、むやみに恐れる必要はありません。私たちが少しだけ心を許して難民を理解しようとする努力をすれば、今のこの怖さを克服できると思います。遠くから死の危機を避けて逃げて来た難民たちを、ただ同じ人だと見てほしいのです。宗教や民族で区分する前に、人が先だと思います。

シェク・アル・マムン移住労働者労組首席副委員長(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/852901.html韓国語原文入力:2018-07-11 19:52
訳M.C

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