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[社説]米国から出た「6カ国協議復活論」に注目する

登録:2018-01-28 22:55 修正:2018-01-29 12:47

 北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加宣言以後、米国で北朝鮮核問題に対する外交的解決論が続いている。まず注目すべきは、キッシンジャー元国務長官の「6カ国協議復活」発言だ。キッシンジャーは25日「朝鮮半島非核化に進む最善の経路は、既存の6カ国協議の復活を通した合意」と明らかにした。昨年、北朝鮮の崩壊に備えて米国と中国が合意すべきだという対北朝鮮強硬政策を注文したことから見れば大きく変わった姿だ。ドナルド・トランプ行政府の外交政策に影響力を持つ要人がこうした発言をしたことは、米国内の気流が「圧迫」一辺倒から「交渉」の扉を開ける側に変わっていることを改めて感じさせる。

ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官が25日、上院軍事委員会の聴聞会で発言している=ワシントン/AP聯合ニュース

 北朝鮮核問題解決のために用意された6カ国協議は、2003年に始まり2007年まで相当な成果を上げもしたが、朝米軋轢の中で中断され,その後開かれていない。しかし、米国と北朝鮮の軋轢が最大化し、一触即発の危機まで及んだ時点から見れば、南北と周辺4強が共にする6カ国協議の再開は、朝米間対話のための安全装置の機能を果すことができる。6カ国協議が直ちに再開されなくとも、再開の議論を通じて米国と北朝鮮が対話の場を用意するだけでも意味は大きい。

 これと関連して、1994年の朝米ジュネーブ合意の米国側代表だったロバート・ガルーチ元国務部北朝鮮核特使が最近出した助言も注目を引く。ガルーチ氏は、米国が北朝鮮に関与するのに状況が悪いタイミングではないとして、朝鮮半島の緊張緩和のために「対話のための対話」であってもすべきだと話した。東アジア問題や北朝鮮核問題を直接扱った外交元老のこうした提案に、トランプ行政府が耳を傾けることを期待する。韓国政府もこうした雰囲気が実質的な実を結べるよう、朝米対話の「促進者」の役割に一層力を傾けなければならない。

 カギは米国と北朝鮮が互いに相手をどれだけ理解し譲歩するかだ。そうした点で、米国防総省が「五輪閉幕後に即時韓米連合訓練を再開する」と釘をさすかのように明らかにしたことは残念だ。ようやく作られた平和局面が、原点に戻るのではないか心配だ。なんとか訓練を縮小、もしくは先送りする方向へ進むことが、北朝鮮を説得するうえで有利だ。北朝鮮が平昌五輪開幕の前日に大規模閲兵式を行うことも賢明な処置ではない。今必要なことは、米国と北朝鮮が一歩ずつ譲歩し、実質的な対話局面に進むことだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/829720.html韓国語原文入力:2018-01-28 18:50
訳J.S

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