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[社説]世界基準に合う慰安婦問題解決を日本に求める

登録:2018-01-09 21:52 修正:2018-01-10 08:43
カン・ギョンファ外交部長官が今月9日午後、ソウル鍾路区の外交部庁舎で、韓日慰安婦合意の処理方向に対する政府の立場を発表している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 日本軍の慰安婦問題が完全に解決されなかったと韓国政府が9日宣言した。2015年末の韓日慰安婦問題合意の検証結果、被害者女性たちの意思をきちんと反映しなかったことが明らかになったことに伴う事後措置だ。当然の決定である。合意の当時に使った「最終的かつ不可逆的な解決」という表現は実に傲慢だった。被害者に口を開くなと圧力をかけたことは暴力的でありさえした。日本という国が戦時に女性の人権を蹂躪した事実を認める気持ちを込めた謝罪と被害者に対する賠償、それらをもっての被害者の許しがない限り誰も最終的解決を口にする権利はない。

 カン長官は日本軍慰安婦問題は「韓日両者の次元を越えて戦時の女性暴行に関する普遍的人権問題」として「人類の歴史の教訓であり、女性人権拡充運動の国際的な道しるべの地位を得るべきだ」と話した。もっともな話だ。韓日の関係改善という目先の要求に釣られて誤った慰安婦合意をきちんと正さないままいくと、私たちは被害者のハルモニ(おばあさん)たちに、そして人類の歴史に罪を犯すことになる。

 韓国政府は日本政府が拠出した和解・癒やし財団の基金10億円を全額自国の予算でまかなうことにした。日本に解決を求めるとともに、我々が被害者たちの名誉と尊厳の回復のために、心の傷を治癒するために十分な努力をしたか、改めて見直す必要がある。

 政府は2015年の合意を両国間の公式合意として受け入れ、日本政府に再協議を求めないことにした。再び交渉を始めても皆が満足するほどの合意に至る可能性は非常に低い。再協議は両国の関係を深く傷つけるばかりだ。それよりは道を開いておくほうが良いのだろう。一部の被害者ハルモニが返還を求めているのに、政府は日本の拠出金10億円の処理策を日本政府と協議することにしたことも、両国の関係の将来を考えた避けられない決定と思える。

 2015年の無茶な合意がなされたときに47人いた元慰安婦は現在31人に減っている。全員高齢者だ。日本が世界基準に合うように慰安婦問題を解決できる時間も、もうそう多く残っていない。歴史は慰安婦の強制動員だけでなく、日本が彼女たちにどのような対応をしたかも明確に記録するはずだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/827010.html韓国語原文入力: 2018-01-09 19:14
訳T.W

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