本文に移動

[社説]“同盟”強調した韓米首脳、北朝鮮核の平和解決に進むべき

登録:2017-11-08 00:08 修正:2017-11-08 07:58
ドナルド・トランプ米大統領が7日、京畿道平沢のキャンプ・ハンフリーズに到着し、文在寅大統領と兵士食堂で食事をした後、トランプ大統領が挨拶している=平沢/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領による7日の韓米首脳会談は、北朝鮮の核に対抗し強固な韓米共助を誇示した。平沢(ピョンテク)の米軍基地であるキャンプ・ハンフリーズを両首脳が共に訪問したことは象徴的だ。首脳会談後に開かれた記者会見で、文在寅大統領は北朝鮮核の平和的解決▽朝鮮半島の恒久的平和体制定着▽北朝鮮の核・ミサイル脅威に圧倒的な力の優位を基盤とする断固たる対応、という原則を再確認したと明らかにした。それと共に「北朝鮮が核を放棄して対話に出る時まで」当分、韓米の対北朝鮮戦略が制裁・圧迫強化であることを明確にした。議論になった“コリア・パッシング”(朝鮮半島問題で韓国が疎外される現象)について、トランプ大統領は「韓国は大変重要な国家」として論議を払拭し、文大統領に力を与えた。

 今回の首脳会談は、両国の大統領が和気あいあいとした雰囲気の中で、異見よりは共通点を強く表わし、両国国民を安心させ北朝鮮に対して一つの声を出した側面が強かった。だが中を覗いて見れば、文在寅政府が今後相当な課題を抱え込んだことが伺える。トランプ大統領は、北朝鮮の挑発に対応するため米国が見せた各種の武力示威と関連して「実際には使うことがないことを望む」と話した。北朝鮮の挑発に断固たる立場を示し、強力な対応能力を備えるのは朝鮮半島安保の必須要素だ。だが、文大統領が言及したように「朝鮮半島で戦争は絶対許されず、平和的に北朝鮮核問題を解決する」という原則をトランプ行政府が明確にするよう韓国政府が絶えず牽引しなければならないだろう。

 大きな枠組みでは異見を見せなかったものの、韓国の自主防衛力増強のための「軍事戦略資産獲得合意」も両者の利害が衝突する点がなくはない。トランプ大統領は共同記者会見で「(韓国が)数十億ドルの軍事装備を注文するだろう。米国の雇用創出に役立つことを願う」と話した。彼はキャンプ・ハンフリーズでも「今日(首脳会談が)うまくいって米国内の雇用が多く創出されることを願う。それが私がここにいる主な理由」と話し、自身の主な関心がどこにあるかを明確にした。「国内の政治的意味合い」が多分ににじみ出た発言だ。

 自主国防のために必要ならば米国産兵器を積極的に購入することは避けられない。だが、過去には性能が劣ったり、韓国に不要な兵器を購入して論議が起きたことは一度や二度ではない。韓国としては「実質的安保」次元ではない、「同盟強化」や「米国の雇用創出」が兵器購買の目的になってはならない。

 トランプ大統領はまた「合理的な防衛費分担金」を強調し、来年から始まる韓米間防衛費分担金交渉が侮れないことを予告した。トランプ大統領は、平沢の米軍基地造成に韓国が多くの負担をしたという記者の質問に「韓国を保護するために支出したことであり、米国を保護するためにしたことではないではないか」として、直接的に正面から応じた。韓国の防衛費分担に対するトランプ大統領の基本認識がどうなのか、察することができる。

 韓国政府はトランプ大統領と韓米同盟および北核問題で異見を表わさないことに留まらず、防衛費分担金や韓米自由貿易協定(FTA)、兵器購買など容易ならざる交渉で韓国の利益を守って行かなければならない。同盟と国益が背馳することは不幸なことだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/817950.html 韓国語原文入力:2017-11-07 20:09
訳J.S(1595字)

関連記事