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[社説]誰が「建国節」を主張して分裂をそそのかしているのか

登録:2017-08-16 23:15 修正:2017-08-17 07:43
今月15日午前、ソウル世宗文化会館で開かれた72周年光復節記念式典に出席した文在寅大統領夫妻と出席者たちが、国旗に対する敬礼をしている。同式典には日帝強制占領期強制動員被害者や「慰安婦」被害者ハルモニも出席した=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8・15祝辞で、2019年を「大韓民国建国100年」と言及し、洪準杓(ホン・ジュンピョ)自由韓国党代表は「北朝鮮を意識した左派の主張」と攻撃した。また正しい政党は「国民の分裂を引き起こす行動」と批判した。保守マスコミも文大統領に「分裂論者」というレッテル貼りに忙しい。相も変わらぬ思想論争にもあきれるが、事実糊塗と居直りが尋常でない。

 いわゆる「建国節論議」を触発したのは数年前ニューライト系列の一部学者だった。李明博(イ・ミョンバク)政府は朝鮮半島の南側に政府が樹立された1948年8月15日を「建国節」として押しつけようとした。朴槿恵(パク・クネ)前大統領は昨年、光復節の祝辞で最初から8月15日を「建国68周年」と呼んだ。光復会が「親日反民族行為者らに免罪符を与えるもの」として反発したが、無視してしまった。不意に建国節を持ち出して国民の分裂と葛藤をそそのかしたのは、まさに李明博と朴槿恵の政権だった。

 建国節主張の裏面には「李承晩(イ・スンマン)美化」があるというのは公然の事実だ。臨時政府によって弾劾され、4・19革命で追い出された李承晩元大統領を「建国の父」として崇めようというのが、そうした主張の実体だ。そのためには臨時政府の正統性を無視し、韓国単独政府の樹立に反対した金九(キム・グ)など大多数の独立運動家の活動に低い評価をせざるをえない。抗日独立運動と4・19革命に対する侮辱であり、国民を見下げる行為に他ならない。

 保守政権が総力を挙げたにもかかわらず、建国節がうやむやになったのは法的、歴史的根拠があまりにも薄弱だったためだ。1987年に与野党が合意して改正した憲法の前文には「3・1運動により建設された大韓民国臨時政府の正統性を継承する」と明確に示されている。李承晩元大統領でさえ、就任当時に年号を「大韓民国30年」と話した。1948年8月15日の政府発足行事を「建国」ではなく「政府樹立祝賀式」と命名したのは他でもない李承晩政権だった。

 事実がこうであるにもかかわらず、自由韓国党などが再び建国節論議を煽る内心を察することは難しくない。8・15から「光復(解放)」の意味を薄め、「建国」の意味を浮き彫りにすれば最も喜ぶのは誰か。日帝の走狗の役割をした親日反民族行為者と彼らを継承する勢力だろう。何としても建国節を主張する人々は、親日勢力の継承者であることを自認することに他ならないことを悟ることを望む。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/807045.html 韓国語原文入力:2017-08-16 18:08
訳J.S(1151字)

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