文在寅(ムンジェイン)大統領が15日、光復節の祝辞でどのような演説をするか注目されている。歴代の大統領は独立記念日である光復節の祝辞を通じて国政運営の核心を強調し、北東アジアと朝鮮半島問題に関する構想を明らかにした。特に北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を契機に朝鮮半島の危機が最高潮に達しており、その解消のために文大統領構想に大きい関心が集まっている。
最近の北朝鮮と米国の間で行き交っている激しい「言葉の戦争」の中、文大統領は最大限発言を控えて状況を鋭意注視してきた。「グアム包囲攻撃」と「対北朝鮮軍事オプション装填」という言葉に表れているように、軍事的衝突の危険性は過去になく高い状態である。北朝鮮と米国が極端な対決に迫るに従い、韓国政府の立つ瀬は非常に狭まれているのが実態である。そのため大統領の悩みも深くならざるをえない。しかし朝鮮半島危機の当事者として自らいっそう声をあげ、事態解決にむけて糸の絡み合いを解くきっかけを作らねばならないのが韓国の役目だ。
このような点から12日、米中の首脳が電話で会談して危機解消策を議論したのは注目に値する。トランプ大統領と習近平主席は「北朝鮮が挑発的な緊張高揚の行為を中断しなければならない」という点で志を同じくしたとホワイトハウスは明らかにした。もちろん、米中間の見解の差は相変わらずであるようだ。習主席は「北朝鮮の核問題の解決は、結局のところ対話と談判という方針を堅持しなければならない」として米国の柔軟な姿勢を促した。結局米中が協力しなければ、朝鮮半島の緊張緩和も北の核問題の根源的な解決もはるかに遠くならざるをえない。それぞれ違う理解をしている二つの強大国が北朝鮮問題で対立せずに手を取り合うように基盤整備するのが、韓国政府の重要な役割であろう。大統領の8・15の祝辞ではこのような部分に対する韓国政府の計画と自信が込められることを願う。そして国民だけでなく国際社会の不安を抑えらるようになることを期待する。
北朝鮮が初めての大陸間弾道ミサイルの発射試験をした二日後の7月6日、文大統領は大胆な「ベルリン宣言」を出した。南北首脳会談提案等を含んだこの宣言は、一連の事態の中で道に迷ったように映った。しかし危機が迫ってきても対話をあきらめてはならない。光復節の祝辞には同宣言を継続する、もう少し具体的な構想を込めなければならないだろう。予測不可能な北朝鮮に断固たる対応方法を明らかにするのは必須であるが、それだけでは足りない。圧迫を乗り越える文政権のビジョンと意志が見えることを願う。
韓国語原文入力:2017/08/13 17:59