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[社説]“米中協力”局面、THAAD配備急ぐ時ではない

登録:2017-04-17 23:31 修正:2017-04-18 07:43
米軍が2014年に米国のミサイル防御(MD)体系の核心であるTHAAD(高高度防衛ミサイル)を試験発射している=米国防総省ミサイル防御庁提供//ハンギョレ新聞社

 ホワイトハウスの外交政策参謀が16日、THAAD(高高度防衛ミサイル)の朝鮮半島配備完了および運用時点について「まだ解決しなければならないいくつかの問題がある。(韓国の)次の大統領が決める事案だ」と話した。3月にTHAAD発射車両を韓国に持ってきて以来、一貫して配備を急いできた米国の方針が変わったのではないかと思える内容だ。その翌日に韓国を訪問したマイク・ペンス米副大統領は、黄教安大統領権限代行と会談した後「韓米同盟のためにTHAADを配備する」と述べた。

 二つの発言は一見相反するように見える。だが、ホワイトハウス参謀の発言は韓国に向かうペンス副大統領の専用機の中で出た。発言の全文を見ても「(韓国の)次の大統領」と明確に話した。そうした点から見て、ペンス副大統領の発言はホワイトハウス参謀の話を覆すものというよりは、韓国と緊密に協議するという意味だと見られる。

 米中首脳会談以後、米国が中国の対北朝鮮圧迫を誘導するために「THAADのスピード調節」に乗り出したと見る方がむしろ合理的な推論だろう。ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官も16日(現地時間)、マスコミとのインタビューで「北朝鮮問題と関連して少なくとも現時点では先制攻撃などの『軍事的行動』は選択事項でない(off the table)」と明らかにした。「軍事的対応」をも含む「すべてのオプションを考慮中」という以前の方針から一歩後退したのだ。これもまたTHAAD発言と脈が通じている。米中首脳会談以後、中国が北朝鮮の核を制御するために熱心に動いているが、米国がこうした雰囲気を無視してTHAAD配備を加速化する理由はないと見るのが合理的だ。

 しかし、韓国政府は朝鮮半島を巡る変化の兆候にもかかわらず、相変らず「早期に計画どおり進める」という話だけをオウムのように繰り返している。「THAAD配備」に命をかけるような性急さを露骨にしている。韓国政府は無理なTHAAD配備強行で次期政府の選択権を奪ってはならない。どのみち3週間しか残っていない過渡政府でTHAAD配備を物理的に完了することはできない。

 そうであれば大統領選挙以後に発足する新政府が、THAAD配備の最終決定権を持つのは当然だ。選挙戦を戦う候補者らは、朝鮮半島を取り巻く米中の動きなどを綿密に分析し、当選に備えた外交的準備を今からしていかなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/791099.html 韓国語原文入力:2017-04-17 19:09
訳J.S(1204字)

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