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[社説]外信が暴露した潘基文親族疑惑の深刻度

登録:2017-01-17 21:28 修正:2017-01-18 06:36
潘基文前国連事務総長の弟、パン・キホ前ポソンパワーテック副会長(左から二人目)が2015年1月ミャンマー政府関係者たちと会っている=正義党イ・ジョンミ議員室提供//ハンギョレ新聞社

 韓国帰国後に本格的な大統領選の準備に乗り出した潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長を巡る疑惑が相次いで指摘されている。国連を対象にした調査報道メディア「インナーシティプレスドットコム」のマシュー・ラッセル・リ記者は17日の交通放送「キム・オジュンのニュース工場」とのインタビューで「潘前総長の弟のパン・キホ氏が紛争地域のミャンマーでミャンマー国連代表団という肩書で事業をしていた」と明らかにした。彼は潘前総長の甥のパン・ジュヒョン氏が勤めていた会社が国連が入居している建物のオーナーという事実も公開した。

 国連事務総長の親族によるこうした行動は明白な利害関係の衝突に該当する。ミャンマーは過去の軍事独裁はもちろん少数民族であるロヒンギャ族の難民問題などで国連が影響力を行使してきた地域だ。「国連事務総長の弟が国連代表団に属しているというのだから。ミャンマー政府は当然に事業受注を許可するではないか」というのがリ記者の指摘である。

 注目されるくだりは、リ記者は2015年5月に国連事務総長のスポークスマンを通じて甥のジュヒョン氏の問題を質問するなど、潘前総長の親族の問題行動を粘り強く指摘してきたのに何の回答も得られなかったという点だ。パン・キホ、パン・ジュヒョン氏がわいろ疑惑で米連邦裁判所から起訴されると、潘前総長は「驚いた」「マスコミの報道を見て知った」と語った。しかし、リ記者の証言に照らしてみるとこのような主張は虚偽である可能性が高い。リ記者は潘前総長の婿の国連傘下機関高官任命問題を取材する過程で記者証と机まではく奪されたという。彼はパン・ジュヒョン氏がベトナムのビルを売ろうとしていたカタール政府が、潘前総長に無料のジェット飛行機を提供するほど両者は特別な関係だったと主張し、「潘前総長が国連を『金持ちたちのお菓子屋』にしてしまった」と批判した。

 リ記者のこのような疑惑の指摘は、内容がきわめて詳細で具体的という点から簡単には見逃せない問題である。潘前総長は、弟が国連の代表団としてミャンマーで事業をしてきたか、それならばその経緯はどうだったか、弟と甥の問題についての報道機関の指摘が先行していたのに彼らの逸脱行為を知らなかったと主張するのは嘘ではないか、など詳細に明らかにすべきである。潘前総長は「政治交替」を訴えて活発な動きを続ける前に、モラルとして疑惑の検証台に乗ることが最優先課題である。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017/01/17 18:15(1199字)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/779131.html 原文: 訳T.W