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[特派員コラム]「クリントン大統領」は北朝鮮との交渉に乗り出すか

登録:2016-10-14 01:33 修正:2016-10-14 07:16
米民主党の大統領選候補、ヒラリー・クリントン氏が今月10日、接戦を繰り広げているオハイオ州のコロンバスで遊説している=コロンブス/AP聯合ニュース

 米国ワシントンの外交街では「談論戦争」が盛んに行われている。次期政権、おそらく民主党のヒラリー・クリントン候補が大統領に当選した時の北朝鮮の核政策をめぐる争闘だ。

 北朝鮮の核・ミサイル開発の凍結を目標に交渉を始めるべきだというウッドロー・ウィルソンセンターのジェーン・ハーマン所長とジェームス・パーソン研究院の最近のワシントンポストへの寄稿文は意味が大きい。主流のシンクタンクの長い沈黙を破り、オバマ政権の対北朝鮮政策を正照準して批判しているためだ。反撃も続いている。世論戦はさらに熾烈になりそうだ。

 対北朝鮮強硬派でも交渉派でも、目標は明らかだ。来月8日に大統領選挙が終わりスタートする政権は、3~6カ月間で新しい政策を検討し策定する。来年2~4月前後に新しい政府の外交・安保の指令塔や政策の青写真が現われるだろう。その前に、自分たちの対北朝鮮政策の立場を最大限投射しようとしているのだ。

 特に、クリントンは世論を重視すると言われる。そのため、この短い期間にワシントンの世論の流れを誰が主導するかが、今後の朝鮮半島政策の大きな方向を左右するだろう。敏感で、重大な時期だ。

 「ヒラリー・クリントン政権」は来年上半期前後に北朝鮮との交渉に出るだろうか。状況は決して容易ではない。「知性の悲観主義、意志の楽観主義」というロマン・ロランの座右の銘のように、現実を変化させたいならば対北朝鮮交渉の可能性について生半可な楽観主義は警戒しなければならない。

 最初のシナリオは、北朝鮮が米国新政府の政策検討期間に追加で核実験や長距離ミサイル発射をした場合である。政権初期には勢いに乗りがちな米国新政府は、最大値の北朝鮮圧力を加えるであろうし、交渉の世論が再び動力を得るには相当な時間がかかるだろう。「北朝鮮崩壊論」を盲信している朴槿恵(パク・クネ)政権の対応も予測に難くない。軍事的打撃を云々してかかると、朝鮮半島が戦争の危機に巻き込まれる可能性もある。

 2番目のシナリオは、北朝鮮が米国に積極的に交渉の信号を送り、米国内の世論も北朝鮮との交渉の側に傾く場合を考えてみることができる。それでも北朝鮮の核交渉につながるという保障はない。多くの変化要因が伏兵として待ち受けている。

 まず、米国内の強硬派は言うまでもなく、交渉論者たちも概して韓国政府との協力と調整を強調している。朴槿恵政権が足を引っぱるなら、米政府が独自で北朝鮮との交渉に乗り出すのは容易ではない。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵政権で何度もこのような事例があった。ただし、朴政権の国内での支持率が今よりもっと落ち込むならば、米国が独自に行動できる空間がつくられる可能性はある。米国は相手国の政権の支持率を対外政策の重要な要因として考慮するためだ。

 米議会の雰囲気は米国内部の重要な世論の変数だ。民主党のビル・クリントン政権時代に北朝鮮との米朝枠組み合意が締結されたにもかかわらず、共和党が掌握した上院・下院の足払いをかけるようなやり方によって履行は遅れ続けた。それで来月8日の米大統領選挙とともに行われる上院・下院選挙にも注目する必要がある。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社

 米中関係も最上位の変化要因の一つだ。米国の新政府と中国の対立が激しくなれば、朝鮮半島問題は大国の持ち札として活用されがちだ。米中関係の安定のために韓国が何をすべきかを考えなければならない時期に、THAAD(高高度防衛ミサイル)配備の決定と海洋警察の警備艇沈没をめぐる韓中間の衝突は不吉な兆しだ。

 長い目で見れば、最終的には交渉に向かうだろう。災いとの共倒れを避けるためには、その道しかないからだ。しかし、時間が遅滞すればするほど国民が払わなければならない費用と負担も雪だるま式に増えるだろう。ひょっとすると、国民の生命を担保にした朴政権の賭けがあるかもしれない。いま切実に必要なのは、楽観主義よりは冷静さと警戒心を持って「行動する」ことだ。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/765581.html 韓国語原文入力:2016-10-13 20:45
訳M.C(1791字)

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