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[社説]危険な韓米日MD共同訓練への参加

登録:2016-05-16 22:21 修正:2016-05-17 07:21
北朝鮮の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」//ハンギョレ新聞社

 

 韓米日3カ国の弾道ミサイル防衛の共同訓練が6月末、ハワイで初めて実施されるという。各国がイージス艦1隻を派遣し、弾道ミサイルの代わりに米国の航空機を飛行させ、ミサイル警報訓練を行うということだ。誰の目にも、韓米日の合同軍事演習であり、三角軍事同盟に向けた段階的な歩みの一つとして映るだろう。

 表面上は、北朝鮮のミサイル挑発を抑制するためという名分を掲げているが、軍事大国化する中国を牽制するための米国と日本の動きに、韓国が参加するという印象はぬぐえない。それに、韓米が共同で推進し、中国とロシアが反対している高高度防衛ミサイル防衛(THAAD)の韓国配備問題まで考えると、単純な軍事問題ではなく、国際外交・安全保障問題に飛び火する可能性が高い。それだけ韓国の安保だけでなく、北東アジアの秩序に大きな波紋を呼ぶかもしれない事案だ。

 にもかかわらず、これを推進して対応している軍当局の態度は不透明であるだけでなく、閉鎖的である。朝日新聞がこの事実を報道してから、ようやく確認する態度からして、まず堂々としていない。軍をさらに信用できないのは、今回の訓練が、2014年12月に締結された北朝鮮の核ミサイルの脅威に関する韓米日の情報共有約定の範囲内で行われる情報分野の訓練に過ぎず、ミサイルを迎撃する作戦の分野の訓練ではないと、終始矮小化した説明をしているからだ。このような説明は、標的がどこにあるかといった情報を共有しただけで、弾丸の発射は行わないので射撃訓練ではないと言い張るようなものだ。

 国の安全保障が危うい状況なら、これ以上の訓練も行うべきだろうが、それによる国益の有利・不利まで軍が判断してはならない。韓米日のミサイル防衛体制の構築と軍事同盟の強化とも捉えられる今回の訓練こそ、総体的な国益の観点から議論し、決定すべき典型的な事案だ。国民に支えられない対外軍事政策は国を危険に陥れかねない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-16 19:07

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/744055.html 訳H.J

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