「12・28韓日慰安婦合意」の矛盾が露呈している。 憂慮されたとおり韓国国内での軋轢が増し、加害者である日本は言い逃れる。 今からでも新たに解決法を模索するのが正しい道だ。
日本政府が拠出することにした10億円(102億ウォン)を被害者ハルモニ(おばあさん)に個別的に恩恵が戻る「純粋支援費」中心に使うと韓国外交部が4日発表したのは自己矛盾だ。日本は一度だけ金さえ出せば済むのはもちろん、財団の設立や運営・事業資金の大部分は韓国が引き受けなければならないためだ。 これは合意内容にも反する。 当時日本は「両国政府が協力して被害者の名誉と尊厳の回復、および心の傷を治癒するための事業を行う」とした。 今はこの責任を韓国政府が負うと言っている。 加害者がしなければならないことを、自ら一手に引き受けるとは愚かとしか言い様がない。
日本側がますます厚かましくなるのは、ある意味当然だ。 日本軍や官憲が直接慰安婦を強制連行したことを立証できる証拠はないという立場を日本政府が韓日合意以後に国連に伝えたことが代表的だ。 慰安婦問題を日本軍が主体で犯した国家犯罪ではなく、一部業者の逸脱に矮小化したのだ。 これに対して韓国政府が「枝葉的な協議の強制性」といった問題には巻き込まれないという中途はんぱな態度を見せたことは、また別の屈辱だ。日本はほとんど何も変わっていないのに、先に折れて出るのは外交とは言えない。
このような矛盾が生じる根本原因は12・28合意そのものにある。 日本の法的責任を全く問わずに「慰安婦問題の最終的かつ不可逆的な解決」を宣言したことは、反歴史的越権だった。 韓国政府が見せる卑屈な姿は、合意の文面にしばられている限り今後も続く可能性が高い。 韓国政府は日本側の誤った態度に対してはほとんど口を閉ざし、多数の被害者ハルモニと市民社会に対しては対決的な姿勢まで見える。 この構図はかつて親日附逆(反民族的親日)官僚らが同族を押さえ込んだことと同じだ。