登録 : 2016.01.31 23:52 修正 : 2016.02.01 07:06

 「ポイントはくれなくても結構です」。数日前、あるソーシャルコマースサイトの商品販売掲示板には、ポイントを受け取りませんという客の宣言が相次いで寄せられた。 このソーシャルコマースサイトは決済日から4日以内に商品が届かなければ、1日につき補償金としてポイント1000ウォン(約100円)を支給するという「配送遅延補償金制」を実施している。 客が補償金を辞退することにしたのは、このサイトで生活用品を販売しているある業者の事情が知らされたためだった。 この業者は、数日前に自分たちが持っている在庫をはるかに上回る注文が殺到し、直ちに品切れを知らせたが、すでに相当数が決済を終えた後だった。 製品を販売したソーシャルコマースサイトは、すでに注文した人々に「お詫びの意味で全額払い戻しと共に配送遅延補償金3日分に相当する3000ウォンをポイントで支給する」と案内した。インターネットで「ポイント辞退運動」が始まったのは、ポイントを支払うのはソーシャルコマースサイトではなく当該販売業者だという事実が知らされたためだ。 「少なくとも1万人を超える顧客にポイントを支給しなければならず、そんなことをすれば零細業者が潰れてしまうのではないか」というあるネチズンが寄せた文が広まり、自発的に注文を取り消しポイントを辞退するという購買者の宣言が1000件を超えた。

 オンラインショッピングでの最大の美徳は“スピード配送”だ。 後発走者であるソーシャルコマースは、大型オンライン流通企業と競争するために先を争って“イナズマ配送”を掲げた。 当日配送競争に始まり、最近では3時間配送競争までして争っている。 オンライン書店を営む企業もオフライン書店で本を買うのと同じ時間で届けるとして、当日配送サービスを始めてから久しい。 オンライン書店に本を注文すれば、深夜12時直前に配達員が本を一冊持って用心深くドアを叩くのは見慣れた風景だ。 配達員を深夜12時に追われるシンデレラにしたこの配送遅延補償金というものも、オンライン書店が当日配送を約束したのにその日に受け取れなかった顧客の不満が高まって始まった制度が流行のように広まったものだ。

ナム・ウンジュ大衆文化チーム記者 //ハンギョレ新聞社
 スピード配送は数年前に始まったピザ配達スピード競争の構造と驚くほど似ている。 ピザ会社は30分配達を約束し、これを守れなかった時にはピザ店が罰金を払い、最も圧迫を受ける人は配達員になるので、ピザ配達員は命を賭けて危険な疾走をした。 今回ソーシャルコマースサイトに代わって補償金を支払うことになった会社は「全ては弊社のミスであり、補償金支払いも契約に従ったものなのでお客様が気を遣わなくても良い」という公告文を出したが、すでに多くのコミュニティ掲示板では「オンライン販売企業が納品企業に補償金だけでなくサイトの発行する割引クーポンやマーケティング費用まで払わせているケースが多い」という事実なども知らされた。 他の流通秩序でもそのような零細業者が、最も利益を受けていない配達員らが、最大の責任を負っている。 30分以内に熱いピザを手に取った顧客が、どうしてこんなに素早くこのピザがここまで届くのかを訊こうとしなければスピード配送での上下関係は埋没してしまう。

 配達の速度を前面に掲げれば、倫理や環境のような他の責任は無視されることになる。 先日あるソーシャルコマースサイトにキャンドル6本を注文したところ、サッカーボールでも入りそうな大きな箱6個がまるでイナズマのように配達された。 一箱に多くの商品をきちんと入れることより、箱1個に商品1個ずつ入れて送る方がはるかに速いためだ。 生産者が適正利潤を得る権利、配達員が定時勤務をする権利、ゴミを最小化する義務などがイナズマのように忘れられている。

ナム・ウンジュ大衆文化チーム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-31 18:33
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/728640.html 訳J.S(1712字)

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