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[社説]北朝鮮の4回目の核実験を糾弾する

登録:2016-01-07 08:23 修正:2016-01-07 15:20
イ・ビョンホ国家情報院長(一番左)が6日、国会で開かれた情報委員会全体会議で北朝鮮の水素爆弾核実験に関する報告を準備している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が6日、「水素(爆)弾核実験を成功裏に実施した」と発表した。2006年、2009年、2013年に続く4回目の核実験だ。具体的な核実験の兆しが感知されなかったという点でより衝撃的だ。平和を脅かし国際秩序に正面から挑戦する挑発であり、糾弾されて当然だ。

 北朝鮮の今回の核実験はいかなる理由があっても合理化できない。北朝鮮は、核実験直後に発表した声明で「米国を中心にした敵対勢力の日増しに加重される核の脅威と恐喝から国の自主権と生存権を徹底的に守護」するためだったと強弁した。だが北朝鮮の新たな核実験自体が、国際社会に対する脅威であり恐喝だ。北朝鮮はまた、自らを「米国の核戦争企図を粉砕して朝鮮半島と地域の安全を保障する努力をつくす真の平和愛好国家」と主張した。これもまた言葉遊びに過ぎない。北朝鮮が核兵器を持っている限り、朝鮮半島と北東アジアの真の平和は訪れない。

■合理化できない挑発

 今回の核実験は、金正恩(キム・ジョンウン)政権の予測不可能性を露わにさせた。彼は今年の新年辞で核について全く言及しないまま、「経済強国建設」と「人民生活問題」を強調した。3回目の核実験後に冷え込んだ中国との関係も、昨年10月の劉雲山・中国共産党政治局常務委員の北朝鮮訪問後に改善され始めていた。南北間でも昨年、8・25合意がされ、制限的ではあるが対話が続いていた。12月10日に金正恩・国防委第1委員長の「水素爆弾保有」発言報道があったが、主な流れになるとはみなされなかった。北朝鮮が5月の労働党第7回大会後に対外関係改善努力を強化するというのが大方の専門家の見解でもあった。だが、北朝鮮が本心を隠したまま異なる姿勢でいた事実が、今回の核実験で明らかにされた。こうした金正恩政権の形態そのものが他の国に対する脅威の要因になる。

 今回の核実験の波紋は大きくならざるをえない。まず、国際社会の追加制裁は避けられないであろう。北朝鮮はすでに3回の核実験を経て、国連安保理の制裁をはじめとして、これを土台にした各国の様々な措置など幾重もの制裁を受けている。その渦中にあっても朝中貿易は着実に進められ、北朝鮮経済が息絶えることはなかったが、中国も制裁強化に乗り出す可能性が少なくはない。核問題などでバランスを取る仲裁者の役割を自認してきた中国が感じる背信は、他の国より大きいはずだ。北朝鮮当局が「小型化した水素弾の威力を科学的に解明した」と公言したのも、関連国の一定の対応を触発させることになる。北朝鮮は最近、核能力と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の力量を共に強化しようとする姿勢を見せた。北朝鮮当局の発表が事実なら、北朝鮮は小型化した核兵器を弾道ミサイルに載せ遠くまで撃てる。これは米国や日本など北朝鮮問題と関連した国の危機感を増幅させる。

 南北関係も冷却するほかない。南北関係が8・25合意後に、これといった進展を見れなかったのは事実だ。昨年12月12日に開かれた初の南北当局会談も、次回の会談日さえ決められないまま決裂している。とはいえ南北間の緊張は以前に比べ低くなり、新年には関係が良くなるという期待すらあった。しかし対北朝鮮制裁が本格的に議論され始めれば、南北関係は従属する要因になってしまう可能性が高い。毎年春に行われる韓米合同軍事訓練と、それに対する北朝鮮の反発を考えればなおさらだ。

 最も重要なのは北朝鮮の態度だ。北朝鮮は声明で「先に核兵器を使わず、いかなる場合にも関連手段と技術を移転することはないだろう」とした。事態悪化を望まない意志を自ら明らかにしたものの、これだけでは物足りない。国際社会との対決を避けるには、核放棄意思を明確にしなければならない。北朝鮮が声明で「米国の敵視政策が根絶されない限り、核開発中断や核放棄は天が崩れ落ちても絶対ありえない」というのは大きな誤りだ。核放棄の条件をめぐる交渉は必要である。そのために6カ国協議などがある。だが北朝鮮の核放棄の可能性が全くないなら交渉を始めるのは容易ではない。北朝鮮が核に固執する限り、国際社会の協力は得れない。今回の核実験は北朝鮮が逆に進んでいることを世界に如実に示した。

■調整された国際社会の対応を

 国際社会の北朝鮮の対応では、よく調整された共助が重要だ。そこでは軽すぎたり行き過ぎでもない対処が要求される。軽すぎると北朝鮮は国際社会が核保有国と認めたと思い違いをし、行き過ぎると激しい反発を呼び起こす。特に我が国(韓国)は北朝鮮と直接対立する当事者として、事態が急激に悪化するのを警戒しなければならない。北朝鮮が自ら核保有の問題点と危険性を悟り、決断を下すようにさせるのが最善だ。また政府が今回の核実験の兆しを全く感知できなかったのも問題だ。知っていてやむを得なかったことと、なにも知らなかったのとでは大きな差がある。

 北朝鮮はおよそ3年ごとに核実験を繰り返している。既存の処理方式が特別な効果を生まなかったからだ。こうした流れを変える方法についても深刻に悩むべきであろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-06 18:42

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/724988.html?_fr=mt0 訳Y.B

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