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[社説]韓中日首脳会談を北東アジアの新協力の契機に

登録:2015-11-02 07:06 修正:2015-11-02 09:50
朴槿恵大統領と安倍晋三首相(左)、李克強首相(右)が1日午後、韓国大統領府で開かれた韓中日首脳会議に先立ち手を取り合って記念写真を撮っている =大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領と安倍晋三・日本首相、李克強・中国首相が1日、韓国大統領府で3年半ぶりに韓中日首脳会談を行った。3カ国は2008年から2012年まで毎年定例的に首脳会談をしてきたが、2012年9月に中国と日本の間に尖閣諸島(釣魚島)の領有権をめぐってあつれきが強まり、韓国が開催国となった2013年から会談が行えないでいた。中断の危機にあった3カ国首脳会談を今回韓国が主導して再開させたことは意味が大きい。

 3カ国会談の再開にはこれまで中国が日本の態度を問題にして強く反発してきたが、韓国が積極的に仲裁に出たのが功を奏した。朴大統領が昨年11月にミャンマーで開かれた「アセアン・プラス3首脳会議」で初めて公式に提起し、今年9月の中国の戦勝節の記念式に参加して習近平主席と会談し、中国の参加を引き出したのが決定的なきっかけになった。周辺国のあつれきの中で韓国外交が主導力と機会をうまく活用した良い例といえる。安倍首相と李克強首相も会談の再開に関する韓国の努力を評価して、この会談を新しい3カ国協力の枠組みへと発展させていこうということを申し合わせた。

 しかし3カ国首脳会談が再開されたといって直ちに3カ国の関係が3年半前に戻ると期待するのは難しい。韓国と日本の間には最大の争点である日本の従軍慰安婦問題がいまだに解決の展望が見られないまま残っていて、中国と日本の間でも領土問題と歴史問題、南シナ海の問題などに対するあつれきが相変らず続いている。安倍首相と李克強首相が会談の冒頭にそれぞれ「地域・国際問題についても率直に意見を交換する」、「協力は歴史をはじめとする敏感な問題を妥当に処理する土台の上に成り立つものだ」とトゲのある言い方をしたことは、相手に対する不信のオリが相変わらずであることを示している。

 我が国(韓国)としては北朝鮮の核問題を含む朝鮮半島の平和と安全、経済繁栄のためにも周辺国が争わずに協力する体制を作ることが大変重要だ。したがって今回の3カ国首脳会談の再開に満足せず、今後も着実に中国、日本を含む周辺国が共通の問題について議論して協力できる機会を作る努力を活発に繰り広げるべきだ。さらに重要なことは南北関係の改善なしにはこのような国際的努力も国内外から協力と支持を受けにくいという事実だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/11/01 19:18

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/715400.html 訳T.W

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