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[社説]多角的な対応が必要な中国発の“為替戦争”

登録:2015-08-13 06:58 修正:2015-08-13 10:42
中国の相次ぐ元の切下げでウォン・ドル為替レートが急騰し1190.8ウォンで締め切った12日午後、ソウルの外換銀行本店のディールングルームで社員が業務している。コスピは前日より11.18ポイント落ちた1975.47で締め切った=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 中国の相次ぐ元の切下げが国際金融市場に大きな波乱を呼んでいる。中国中央銀行である人民銀行は11日、元とドルに対する基準為替レートを1.86%電撃的に引き下げたのに続いて12日、再び1.62%引き下げた。中国は管理変動為替レートであり、中央銀行が外国為替取り引きの中心となる基準為替を定めて毎日告示している。元の異例的な通貨切下げで韓国をはじめとして多くの国の為替レートや株式相場が揺れ動いた。元の価値の下落は国際輸出入市場にも影響を与えることになり世界経済の重要な変動要素になりうる。政府と貿易業界の賢明な対処が必要である。

 中国の今回の措置は景気浮揚に主な目的があると見られる。中国は今年に入って内需と輸出がともに振るわず、景気の鈍化を心配する声が高まっている。今年の政府目標値である7.0%成長が容易ではないと見るむきが多い。国際通貨基金(IMF)は4月の中国の成長率が6.8%になると見通したことがある。先月には株価が暴落もした。このような状況での元の切り下げは、輸出喚起などを通じて景気を支える効果を生み出しうるものだ。中国の景気高揚は世界経済に好材料になる可能性もある。

 しかし通貨の切下げが続くならば話は変わってくる。一歩間違えれば“通貨戦争”の火種になるかも知れない。他の国々も自国の輸出品の競争力を高めて輸入を抑制するために通貨の切下げを推進することがありうるためだ。米国と日本、ユーロ圏が極端な金融緩和政策に出た場合、景気高揚のために避けられないという点を認めながらも通貨切下げの点に目を奪われることは少なくなかった。通貨戦争を心配する声が出たのはそのためである。米国と国際通貨基金はひとまず中国政府主張のとおり今回の措置を一時的であり、為替レートの弾力性を高めようとする動きとして受け入れるようだ。

 いかんせん、このような状況は私たち(韓国)に直ちに影響を与えるだけに、鋭意注視しなければならない。“小規模開放経済”である我が国が主導的役割を果たすことは難しい。それでも条件を正しく選べば波紋を減らすことはできる。専門家たちは私たちの最大輸出市場である中国の通貨切下げに肯定的な面と否定的な面があると話している。中国での輸出を増やす機会になる反面、中国と競争する分野では不利になるということだ。利益を最大化して損失を最小化することができるように知恵を絞るべきである。体質改善を通じて商品の競争力を引き上げるのは基本的なことだ。政府と韓国銀行もさまざまな状況に効率的に対処することができるように準備しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/08/12 18:35

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/704180.html 訳T.W

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