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[社説]安倍首相に対する世界の歴史学者の警告

登録:2015-05-07 07:34 修正:2015-05-07 07:36
米国を中心に10カ国の著名な日本学・歴史学の学者187人の「日本の歴史家を支持する声明」 //ハンギョレ新聞社

 グローバル社会で著名な歴史学者187人が6日、日本の安倍晋三首相に従軍慰安婦問題について歴史的事実を歪曲せずに正面から認めることを求める声明を発表した。声明はまた日本の植民支配および展示侵略行為に関して安倍首相の「より大胆な行動」を促した。日本は世界の知性を代表する彼らの忠告を真剣に受け入れるべきである。

 彼らの声明は安倍首相の4月29日の米国上下両院合同演説以後起きている逆風を総整理する性格がある。日本学を専攻したり日本問題を研究した各国の権威ある歴史学者が共通の認識をもったことは大きな意義がある。誤解の余地をなくそうと、韓国と中国の歴史学者を署名者名簿から除外したことも注目される。2月に米国の歴史協会所属の歴史学者20人余りが発表した声明が“予備警告”だったとしたら今回の声名は“最後通牒”といえる。

 声明で明らかにしたように日本の従軍慰安婦制度は数多くの資料と証言によって歴史的事実として確定した野蛮的な行為である。「20世紀にあった多くの戦時中の性的暴行と軍主導の売春例のなかでも慰安婦制度は膨大な規模と軍次元の組織的管理そして日本に占領されたり植民支配を受けた地域の幼く貧しく弱い女性を搾取したという点から特に注目される」。それでも安倍政権は慰安婦問題に対する責任を認めるどころか最小限に記述されている米国などの外国の教科書の慰安婦関連内容まで変えようと試みている。声明に参加した彼らならずとも日本のこのような有様を容認する歴史学者はいない。慰安婦問題の核心には平等権と女性の尊厳という問題があり、その解決は日本と東アジア、世界で両性平等のための歴史的な足取りになることという声明の指摘も全面的に妥当である。

 最も重要なのは日本政府の明確な行動だ。安倍首相はこれまで「歴史は歴史家に任せなければならない」という形で責任を回避してきた。しかし今回の声名で分かるように世界の歴史家はすでに慰安婦問題についてはっきり整理された考えを持っている。これまで否認してきた過去の誤りを潔く認めることは容易ではないが、慰安婦問題を解決しないまま日本がグローバル社会の指導国になることはできない。また米日同盟がいくら強化されても米国が慰安婦問題を代わりに解決することはできない。安倍首相は韓日国交正常化50年(6月22日)、終戦70年(8月15日)等の機会を意味もなく見送ってはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/05/06 19:12

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/690008.html 訳T.W(1104字)

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