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[社説]拷問致死の隠蔽検事は最高裁判事になるな

登録:2015-02-04 07:20 修正:2015-02-04 08:07

 パク・サンオク大法院(最高裁)判事候補者が1987年のパク・ジョンチョル拷問致死事件を矮小化して隠した検察捜査チームの検事であることがわかった。このような事実は国会に提出された最高裁判事の任命同意案からも欠けていたという。朴候補者がわざわざ削除したのではないか疑わしい。歴史的責任を最終的に避けようとしたという批判は免れ難い。

 朴候補者をはじめとする検察の捜査チームは当時ソウル大生だったパクさんを水につけて拷問して死なせた治安本部の対共捜査官から「犯人はあと3人いる」という自白を聞いても、それ以上の捜査をせずに当初明らかになっていた捜査官2人だけを起訴する線で捜査を終わらせた。カトリック系の天主教正義具現司祭団の暴露によって再捜査が始められた後も、関係機関対策会議等を通じて起きた組織的な事件隠蔽と操作についてはまともに捜査せずに責任者だったカン・ミンチャン治安本部長を嫌疑不十分と処理するなど、事件の矮小化に汲々とした。パク候補者は当時捜査チームに参加した検事として権力に屈して国家暴力の殺人と隠蔽工作を手助けした責任は免じ難い。過去の歴史委員会が2009年の検察の謝罪を促したにもかかわらずパク候補者はこれまで何の言及もしてこなかった。人権蹂躪と歪曲にまみれた汚辱の歴史を反省する意志はないと見るほかない。

 これは大法院判事としては致命的な欠陥である。大法院は司法の正義と人権の最後の砦であるべきだ。ヤン・スンテ大法院裁判長が「人権の最後の砦としての役割を忠実に遂行することが司法府が向かうべき目標かつ方向」と話すなど、司法府自ら繰り返し自認してきたことだ。パク・ジョンチョル事件のような拷問と過酷な行為そしてそれを通じて作りあげる虚偽の自白と事件の工作は人権を威嚇する代表的な国家犯罪である。このような犯罪に目をとじても反省さえしない人がどのように最高の法院の裁判官になることができるという言葉なのか。

 パク候補者はパク・ジョンチョル事件以外にも、無実の市民を水拷問した疑惑で1992年に立件された警察官を被害者と合意したという理由だけで在宅で処理することも少なくともしている。警察が被害市民に合意を勧めるなど、事件を縮小化しようとした疑惑があるのにそのようにしたのだからパク・ジョンチョル事件の処理とそっくりである。そのような考え方にこり固まった人が大法院の判事として国家権力の恣意的行事をはねつけて国民の基本権を守るだろうと期待することは難しい。

 パク候補者は今からでも自ら取りやめるべきである。このような人物を大法院の判事候補に推薦した大法院の判事候補推薦委員会と大法院判事に推薦して任命同意を要請したヤン・スンテ大法院裁判長とパク・クネ大統領は当然謝罪し、それを撤回すべきである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/03 18:40

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/676628.html 訳T.W(1229字)

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