登録 : 2015.01.31 12:10 修正 : 2015.01.31 13:31

 李明博前大統領の回顧録は予想通り自画自賛と詭弁を貫き、自己弁明と強引な屁理屈、責任転嫁でぎっしり埋まっている。在任期間についての謙虚な反省や心残りの表現はかけらほどもなく「私は全てうまく行った」という高慢ぶりで一貫している。自叙伝が結局は一人の人間の全体像を表すとすれば、今回の回顧録ははったりと偽善を生涯の武器として出世街道を駆け抜けてきた彼の人生を皮肉にもよく表しているわけだ。

 李前大統領が4大河川事業について「金融危機を他の国よりはやく克服するのに重要な役割をした」と主張しているくだりからして失笑を禁じえない。4大河川事業が無分別な財政浪費事業の典型で、22兆ウォン(約2兆4000億円)にも及ぶ額を他のものに使ったら市民経済にとってはるかに役立ったろうというのは、国会予算政策処や各種研究機関の共通した判断である。金融危機の後われわれ(韓国)の経済の成長潜在力をそいで、景気に対する適応力を弱めた主犯が4大河川事業であることを考えると李前大統領の主張は典型的な強引な屁理屈である。

 税金を浪費しただけで失敗に終わった資源外交に対する弁明も国民の忍耐心を刺激する話である。李前大統領は「退任から2年もならないときに資源外交を評価して問題提起するのは、井戸の周囲でこげ湯を探す(重箱の隅をつつく)ようなもの」と話したが、天文学的な金額を注ぎ込んだ数多くの事業のうち相当数がすでに「井戸閉鎖」の整理段階になっている。

 公共企業が抱えることになった途方もない借金を国民の税金で処理せねばならないなか李前大統領の資源外交の自慢は実に厚顔無恥である。海外資源開発の総括を国務総理室が担ったと主張しているのも典型的な「人のせい」にする歪曲である。李政権の5年間で大統領が締結した資源外交了解の覚書が24件、実兄のイ・サンドク議員が11件にもなる反面で、総理はわずか4件に過ぎなかった。在任中も同様だったが、手柄話は自分のおかげでミスはひとのせいにする彼の性分は相変わらずである。

 李前大統領が米国産の牛肉の拙速な輸入交渉の責任を自分の就任前の政権に転嫁したくだりに至っては一層あきれるものだ。当時、李政権は韓米首脳会談を目前にしてアメリカに「プレゼント」を贈ろうと米国産の牛肉の輸入衛生条件を突然合意したのは今もなお外交的失策の教訓になっている。自分たちの低姿勢の外交で“大判振る舞い交渉”をしておきながら今になって昔の政権のせいにしているのだから真に面の皮が厚い。

 北朝鮮から何度も南北首脳会談の提案がされたが「原則に沿った拒否」をしたと説明しているくだりもまた同様である。そのような好機を使って南北関係の改善に結び付けられずに結局“北朝鮮政策失敗政権”に終わったことは、自慢すべきことではなく激しく反省すべき内容である。南北首脳会談推進の秘話や韓中外交の状況を細かく公開しているのも北朝鮮および中国との関係に悪影響を及ぼす可能性が高いという点から前大統領としては浅はかな態度と言えよう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/29 18:40

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/675888.html訳T.W(1384字)

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