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[コラム] 逆転したセヌリ党と大統領の支持率、春の日は過ぎました

登録:2015-01-19 22:29 修正:2015-01-20 07:52
クァク・ピョンチャン先任論説委員が朴槿恵大統領に送る手紙(91)
朴槿恵大統領が12日午前、大統領府春秋館で新年記者会見をしている。イ・ジョンヨン先任記者 //ハンギョレ新聞社

30%台に下がった大統領国政支持度に朝鮮・中央・東亜も 分からず屋の国政運営を叱責
支持度墜落を食い止めようとした保守マスコミでさえ“人的刷新拒否”に怒り
40%台のセヌリ党支持率よりさらに低い大統領支持率は致命的指標
歴代最も無能且つ無責任で非民主的・独善的リーダーシップの結果
セヌリ党も背を向けるだろう…手遅れになる前に不疎通と独善の壁を壊すべき

 16日、韓国ギャラップが発表した大統領の国政支持率調査結果で、最も怒りに充ちた反応を見せたのはいわゆる“朝中東”でした。 朝鮮日報と東亜日報は社説で分からず屋の国政運営を叱責しました。 中央日報は朝鮮と東亜の後を追って、3日後の漫評を通じて“ザーザー漏れの支持率”という見出しの下で落ち着かないあなたを描きました。 外部筆者による「中央時評」でも「大統領の支持率さらに落ちる見込み」という暗鬱な展望を選びました。

 なかでも東亜日報は「3人組をいつまで抱えて行くのか」という見出しの社説で、大統領の新年構想である特別補佐団新設に対して「実力者3人組に過度に依存する…システムを見直さなければ『下の石を抜いて上に積む(急場しのぎ)』に終わる可能性が高い」と批判しました。 朝鮮日報は「世論の警告危険ラインまで来た」との見出しの社説で「経済は創造経済、経済革新、4大改革など不明瞭に推進されて解ける兆しすらない。人的刷新は事実上拒否した」と絶望感を示しましたね。

 他のどんなメディアよりこれまであなたを支えるため努めてきた報道機関です。 全力で支持率の墜落を食い止めようともしました。 昨年12月初め、ゆるやかな下落傾向を急落傾向にした“秘線(隠密の)実力者の国政介入”疑惑と関連した報道はその良い実例でした。 チョ・ヒョナ前大韓航空副社長のいわゆる“ナッツリターン”事件が起きた時の報道態度は圧巻でした。 ナッツリターンで秘線権力の国政介入疑惑を覆ってしまったためです。

朴槿恵大統領が12月19日午後、大統領府で開かれた国民推薦褒賞授与式に参加するためにキム・キチュン秘書室長と共に入場している。 イ・ジョンヨン先任記者 //ハンギョレ新聞社

 そんな風に努力はしたものの、所期の成果はおさめられませんでした。 検察を動員してゴリ押しで踏み潰して覆い隠してしまった秘線の権力介入疑惑が、他でもない十常侍の一人によって生々しい現場として蘇ったためでしょう。 さらにはウム・ジョンファン行政官は十常侍とパク・ジマン氏の権力暗闘疑惑を、十常侍とセヌリ党指導部の暗闘で拡張させてしまいました。 最も体面を台なしにした人は、「秘線実力者はいない」と言った大統領でした。 その話を無理にでも信じたかった盲目的な支持者も事情は同じでした。

 韓国ギャラップ調査にはもう一つあなたにとって致命的な指標がありました。 支持率急落で見えづらくなっていますが、劣らず重要な大統領国政支持率とセヌリ党支持率の格差がそれです。 今回の調査(1月2週)では、その差が何と8%に達しました。もちろん支持率が逆転したのは初めてではありません。 昨年11月末、秘線実力者国政介入疑惑監察文書問題が起きた直後から大統領支持率は一貫して落ち続け、セヌリ党支持率に近接し始めました。 12月2週では41%対41%で同じになって、3週(37%対42%)には大きく逆転しました。 1月1週の検察のでたらめ捜査結果発表で格差が少し縮まりましたが(40%対44%)、ウム・ジョンファン行政官によって実体が一定部分明らかになり8%に格差が再び拡がりました。もう傾向的に固定したようです。

 他の世論調査機関(リアルメーター)の週間調査でも同様な傾向は確認されています。 12月最終週でも4.5%程度は上回っていたのが、2週の調査では0.1%差に狭まりました。 もちろん大統領支持率が僅かであっても上回っていますが、傾向的な逆転傾向は明確です。 もちろんセヌリ党の支持率が高まったのではなく、大統領支持率の下落にともなう結果です。 この間、大統領の人気に背負われていたセヌリ党でしたが、今は大統領がセヌリ党の負担になるに至ったのです。

 今まであなたはともすると政治が国家発展を妨げていると政界を詰問してきました。政府の誤りも無条件に政界に押し付けてきました。 今後そうしたら「あんたがちゃんとやりなさい」という対面反駁を避けられないでしょう。

 事実この2年間、あなたが見せてきたのは歴代最も無能で無責任で、非民主的で独善的なリーダーシップでした。 どうすれば国家運営を国会議員時期に補佐した少数の家臣にまるごと任せることができるのですか。 本人はただ父親の後光を蘇らせ、厚化粧に努めているのですか。 あなたが首脳外交や国内政治で残したものは、服と白くピカピカした微笑しかありません。

キム・ギチュン大統領府秘書室長(前列右側)など大統領府参謀が12日、朴槿恵大統領の新年記者会見の開始を待っている。 大統領府写真記者団。 //ハンギョレ新聞社

 もちろんそれが可能だったのは50代以上の世代の盲目のおかげでした。 あなたの個人的人気と後光を浴びて国会に再入城しようとするセヌリ党議員の珍島犬のような忠誠心のためでした。 しかし、もうそういうことも消えるほかはありません。 後光効果もない土塊になるなら、誰があなたを求め忠誠をつくすでしょうか。

 韓国政界でこのような支持率逆転現象は、色々な極端な破裂音を生んできました。 あなたも直接その現場にいたし、またその果実を得たりもしました。 韓国の政党と国会議員は、自身の政治的未来がかかった事案の前では極めて冷酷です。 大統領が負担になれば大統領であっても捨て、党が負担になれば党も捨てます。 あなたが身を置いているセヌリ党の変遷史はこれを雄弁に物語ります。 民正党が民自党に、民自党が新韓国党に、新韓国党からハンナラ党に、ハンナラ党がセヌリ党に、大統領が負担になるたびに後継者と国会議員は党名を変え続けてきました。

 政党は本能的に政権を追求し、国会議員は再選を追求します。 理念も信念も義理もないと恨むこともありません。 特にこの国の保守政党はそうでした。 李明博大統領が墜落して、李明博カラーを抹消してセヌリ党を作ったのはあなたでした。かつての開かれたウリ党もそうしました。 盧武鉉大統領の墜落と共に党は各自が生き残り、離合集散の道を歩きました。 新しいリーダーシップ不在の中で今まで支離滅裂してきました。

 族閥マスコミも同じです。2007年大統領候補競選の時、彼らの殆どはあなたを捨てて李明博氏を選びました。 そうするうちに李明博大統領が墜落することになると、いちはやくあなたに乗り換えました。 今“不疎通”と“独善”の壁を破れという彼らの声がより一層激しくなって迫っているのは、また別の変身のための予備行動です。 そのような彼らの忠告であっても、よく聴いてください。もちろんあなたが変わる可能性はあまりありません。 意識は維新時代に留まり、不信と疑念は20年近い幽閉時代に閉じ込められているからです。 ただし今後3年、この国の国民をこれ以上深いどん底に落とさないためにも、あなたは変わらなければなりません。 父親の悲劇が想像の中でも浮び上がらないようにすることを望みます。

クァク・ビョンチャン先任論説委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/674248.html 韓国語原文入力:2015/01/19 17:29
訳J.S(3281字)

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