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[社説]主導力不足露呈した朴槿恵外交

登録:2014-11-12 06:48 修正:2021-07-05 08:28

 中国の北京で10~11日に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談に参加した主要国が激しい首脳外交を広げている。朴槿恵(パク・クネ)大統領は11日に米国、10日に中国と首脳会談し、同日夕には日本の安倍晋三首相とも電撃的に会談した。しかし、再編が進む外交地図において我が国(韓国)は十分な主導力を見せらないでいる。

 何より朴大統領は最も重要な北朝鮮の核問題で新たな力を出しえなかった。米国のオバマ大統領は「北朝鮮が(対米)関係改善を望むならば核兵器に対する態度を変えなければならない」として‘まず北朝鮮が変わる’ことを条件に掲げた。従来と変わらない‘戦略的忍耐’の政策だ。韓中首脳会談で「核放棄の戦略的選択が可能なように北朝鮮を誘導するための努力を強めることで合意した」と言うものの、いかなる努力なのか分からない。むしろ、習主席は「六か国協議再開策を一日も早く見出さねばならない」と語ったのに、わが国政府の説明では六か国協議については全く言及されなかった。政府が六か国協議再開に努めず、‘待つ戦略’に留まっていることを示している。

 最も注目された国は主催国である中国だ。中国は日本の要請を受け入れる形で首脳会談をすることで、東アジアの基軸国であることを誇示した。中国が主導するアジア太平洋自由貿易地帯(FTAAP)の計画が各国から歓迎されたのも成果だ。中国はすでにアジア・インフラ投資銀行(AIIB)、シルクロード経済地域、21世紀海上シルクロード構想などを推進している。これらを構築して「アジア太平洋地域の融合と発展」をリードして行こうというものだ。日本も、北朝鮮に続いて今回中国と新しい関係を模索する礎を築いたし、オバマ大統領はアジア再均衡政策を再開した。

 米中日ロなど朝鮮半島をめぐる四か国は東アジア全体の主導権争いの‘グレイト・ゲーム’を行っている。我が国はこのような動きが大きな衝突を招かず、各国の平和と繁栄につながるように、バランス外交を通じて主導力を発揮すべきだ。さらに重要なことは、核問題など朝鮮半島に関連する問題がこじれたり悪化したりせずに平和裏に解決されるように枠組みを作っていくことだ。しかし現在の我が国の外交は、東アジア全体を念頭にした広い視野と朝鮮半島の懸案を解決しようとする積極的な努力がともに足りない。

 いかなる場合であれ最優先課題は北朝鮮の核問題の解決だ。我が国が創意的な発想と推進力を発揮できなければ状況はいっそう悪くなるばかりである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2014/11/11 18:36 

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/663958.html 訳T.W(1171字)

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