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[社説] 野党の連携も北の仕業と言う法務部の屁理屈

登録:2014-09-12 09:57 修正:2014-09-12 10:53

 梅香里(メヒャンニ)の米軍射爆場反対運動、米軍装甲車女子中学生轢死事件に対する抗議、韓米自由貿易協定反対運動、BSEろうそくデモ、済州(チェジュ)海軍基地反対運動などは2000年以後に広がった代表的な大衆運動だ。政府の政策に対する批判や、市民の怒りを買った事件への抗議に始まって、政府の態度をある程度変えさせた国民の正当な権利行使だった。地域住民など市民が自発的に参加し、社会団体が加わって大衆的抵抗に拡散したこれらの運動には統合進歩党も一部分として参加した。

 これらの大衆運動は北朝鮮の対南革命戦術に従ったものという呆れ返る主張が出されている。さらには2012年総選挙の際の野党協力までが北朝鮮の対南革命論に従ったものと主張されている。拳を振り上げてばかりいる‘アスファルト極右’の常套句であってもあきれるこのような主張を、仮にも政府部署である法務部が堂々と公式文書として並べ立てている。30~40年前の維新(朴正煕政権の後半期)と軍部独裁の暗黒期を思い出させる時代錯誤に唖然とせざるをえない。

 統合進歩党の政党解散審判事件を審理中の憲法裁判所に法務部が8月末に出した意見書を見ると、このような主張の根拠はこれらの大衆運動に統合進歩党の幹部たちが参加していたという程度だ。北朝鮮側がこれらの運動に関する声明を出し、進歩党の幹部たちが会議を通じてこれらの運動に積極的に参加することにし、北朝鮮の関連指令もあったのだから、結局は北朝鮮の対南革命戦術に従ったという主張だ。

 このような主張が通るならば‘北朝鮮が言及した問題を主張すればイコール従北’となる。まことに単純で無茶苦茶なこじつけだ。法務部はこういう主張をしていながら、進歩党はこれらの運動の一参加者に過ぎず、これらの運動が市民の怒りと自発的参加から広がったという事を無視している。

 2008年のBSEろうそくデモだけを見ても、当時の最高検察庁公安部長だったパク・ハンチョル憲法裁判所長が現場を見て回った後‘市民の自発的参加とみるべきだ’として強硬対応に反対した経緯がある。梅香里問題も長く苦痛を強いられた住民たちの射爆場閉鎖要求から始まったし、米軍装甲車女子中学生轢死事件も女子中学生の不条理な死に対する公憤に触発されて当時のハンナラ党イ・フェチャン大統領候補までが街頭追悼行事に参加するほどだった。それなのに、今ごろになって法務部はこれらに‘従北’のレッテルを貼ろうとしている。

 あれこれ理由をつけてこじつけることもはばからない。批判勢力を従北フレームに封じ込めようとする意図を疑わざるをえない。病的な執着ではないかとまで言いたくなるほどだ。直ちに撤回するのが当然だろう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/654612.html 韓国語原文入力:2014/09/10 18:23
訳T.W(1240字)

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